私たちの社会は、多くの仕事やサービスによって支えられています。その中でも、日常生活や社会の安全を維持するために欠かせないものが「エッセンシャルサービス」です。また、そのサービスを現場で支える人々は「エッセンシャルワーカー」と呼ばれます。
これらの言葉は、新型コロナウイルス感染症の拡大時に広く知られるようになりましたが、意味を正確に理解している人は意外と多くありません。本記事では、エッセンシャルサービスとエッセンシャルワーカーの意味、違い、具体例についてわかりやすく解説します。
エッセンシャルサービスとは
エッセンシャルサービス(Essential Service)とは、社会や人々の生活を維持するうえで欠かせないサービスのことです。
これらのサービスが停止すると、人々の生命や健康、安全、生活基盤に重大な影響が及ぶ可能性があります。そのため、災害時や感染症の流行時など、非常時でも継続が求められることが多い分野です。
「essential」は英語で「必要不可欠な」「極めて重要な」という意味を持ちます。
エッセンシャルサービスの具体例
エッセンシャルサービスには、次のようなものがあります。
医療・保健サービス
人々の命や健康を守るために欠かせない分野です。
具体例:
- 病院
- 救急医療
- 診療所
- 薬局
- 検査機関
介護・福祉サービス
高齢者や障害のある人、支援を必要とする人々の生活を支えます。
具体例:
- 介護施設
- 訪問介護
- 障害福祉サービス
- 福祉相談窓口
ライフライン
生活基盤そのものを支えるインフラです。
具体例:
- 電気
- ガス
- 水道
- 下水道
- 通信(電話・インターネット)
物流・流通
物資供給を維持するために必要なサービスです。
具体例:
- トラック輸送
- 宅配便
- 倉庫管理
- 食品配送
食品関連
日常生活に必要な食料供給を担います。
具体例:
- 食品製造
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- 卸売市場
公共安全
社会の秩序や安全を守る役割があります。
具体例:
- 警察
- 消防
- 救助活動
公共交通
移動手段の維持に関わる分野です。
具体例:
- 鉄道
- バス
- タクシー
- 航空(状況による)
エッセンシャルワーカーとは
エッセンシャルワーカー(Essential Worker)とは、エッセンシャルサービスを提供・維持するために働く人のことです。
社会が通常どおり機能するために欠かせない仕事を担っており、非常時にも業務継続が求められることがあります。
エッセンシャルワーカーの具体例
エッセンシャルワーカーとして挙げられる職種には以下があります。
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 介護士
- 保育士
- 配送ドライバー
- スーパーの従業員
- 清掃スタッフ
- 警察官
- 消防士
- 鉄道・バスの運転士
- 電力・ガス・通信インフラの保守担当者
エッセンシャルサービスとエッセンシャルワーカーの違い
両者は似た言葉ですが、指している対象が異なります。
エッセンシャルサービス
→ 社会に必要な「仕組み・サービス」
エッセンシャルワーカー
→ そのサービスを支える「人」
例えば、病院の診療体制はエッセンシャルサービスです。一方、その病院で働く医師や看護師はエッセンシャルワーカーにあたります。
なぜ注目されるようになったのか
この言葉が広く知られるようになった大きなきっかけは、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大です。
外出制限やリモートワークが広がる中でも、医療、物流、小売、公共サービスなどは停止できませんでした。その結果、社会を支える現場の重要性が改めて認識され、「エッセンシャルワーカー」という言葉が広く使われるようになりました。
日本での位置づけ
日本では「エッセンシャルサービス」「エッセンシャルワーカー」という言葉は一般的に広く使われていますが、法律上の統一された厳密な定義が常に一つに固定されているわけではありません。行政機関や状況によって対象範囲が異なることがあります。
そのため、文脈によって対象となる業種が多少変わる場合があります。
まとめ
エッセンシャルサービスとは、人々の生活や社会機能を維持するために不可欠なサービスのことです。そして、そのサービスを現場で支えている人々がエッセンシャルワーカーです。
私たちの暮らしは、多くの見えにくい現場の仕事によって成り立っています。これらの言葉を理解することは、社会の仕組みを知るうえでも役立つでしょう。


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