大気汚染指数(AQI)とは?数値の見方やPM2.5との違いをわかりやすく解説

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大気汚染に関する情報を調べていると、「AQI」という数値を目にすることがあります。AQIは「Air Quality Index」の略で、日本語では「大気質指数」などと呼ばれます。

AQIを見ることで、その地域の空気がどの程度汚染されているのか、健康への影響にどの程度注意すべきなのかを把握しやすくなります。

この記事では、大気汚染指数(AQI)の意味や数値の見方、PM2.5との違いなどをわかりやすく解説します。

大気汚染指数(AQI)とは

大気汚染指数(AQI)とは、大気汚染の程度と、それによる健康への影響の目安を数値で表した指標です。

大気中にはPM2.5やオゾン、二酸化窒素など、さまざまな大気汚染物質が存在します。しかし、それぞれの濃度を個別に確認するだけでは、大気の状態を直感的に判断することが難しい場合があります。

そこで、大気汚染物質の測定値を一定の基準に基づいて指数へ変換し、空気の状態を理解しやすくしたものがAQIです。

基本的には数値が低いほど大気の状態が良く、数値が高くなるほど大気汚染による健康リスクが高くなります。

AQIは世界共通の数値ではない

AQIを理解するときに重要なのが、すべての国や機関で完全に同じ算出方法が使われているわけではないという点です。

「AQI」という名称で表示されていても、採用されている基準によって数値の算出方法や区分が異なる場合があります。

そのため、AQIの数値を確認するときは、どの国や機関の基準に基づいた指数なのかを確認することが重要です。

代表的なAQIとして、米国環境保護庁(EPA)が定めているAQIがあります。

米国EPAのAQIの見方

米国EPAのAQIでは、0から500までの範囲を基本として、大気の状態を6つのカテゴリーに分類しています。

AQI大気の状態健康への影響の目安
0~50良好(Good)大気汚染による健康リスクはほとんどない
51~100普通(Moderate)一般には許容範囲だが、一部の特に敏感な人は影響を受ける可能性がある
101~150敏感な人には健康に良くない大気汚染の影響を受けやすい人は健康影響のリスクが高まる
151~200健康に良くない一般の人にも健康影響が生じる可能性があり、敏感な人ではより影響が大きくなる
201~300非常に健康に良くないすべての人で健康影響のリスクが高まる
301~500危険健康への深刻な影響が懸念される状態

つまり、AQIが50以下であれば比較的良好な大気環境ですが、100を超えると大気汚染の影響を受けやすい人は注意が必要になります。

さらに150、200と数値が高くなるにつれて、一般の人についても健康への影響を考慮する必要性が高まります。

AQIの対象となる主な大気汚染物質

米国EPAのAQIでは、主に次の大気汚染物質が対象となっています。

  • 粒子状物質(PM2.5・PM10)
  • 地表付近のオゾン
  • 一酸化炭素(CO)
  • 二酸化硫黄(SO2)
  • 二酸化窒素(NO2)

これらは発生源や人体への影響がそれぞれ異なります。

たとえばPM2.5は非常に小さな粒子であるため、呼吸によって体内に入りやすい特徴があります。

一方、地表付近のオゾンは光化学反応によって生成され、濃度が高くなると目や呼吸器などに影響を与える可能性があります。

AQIを利用することで、こうした大気汚染の状況を理解しやすい形で確認できます。

AQIとPM2.5の違い

AQIと混同されやすいものに「PM2.5」があります。

この2つは同じものではありません。

PM2.5とは、大気中に浮遊している粒子のうち、粒径がおおむね2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質を指します。

PM2.5の測定結果は「μg/m³(マイクログラム毎立方メートル)」などの濃度として表示されます。

これに対してAQIは、大気汚染物質の濃度を健康影響との関係が理解しやすいよう指数化したものです。

簡単に整理すると、

「PM2.5=大気汚染物質の一種」

「PM2.5濃度=空気中にPM2.5がどの程度存在しているかを示す測定値」

「AQI=大気汚染の程度を一定の基準によって指数化したもの」

という違いがあります。

そのため、「PM2.5が30μg/m³」と「AQIが80」では、数字そのものが表している意味が異なります。

AQIはどのように決まるのか

AQIでは、対象となる大気汚染物質について測定された濃度を、それぞれ所定の方法で指数へ変換します。

米国EPAのAQIでは、各汚染物質について算出された指数のうち、その時点で最も高いAQIが、その地域のAQIとして扱われます。

たとえば、ある地域でPM2.5によるAQIが120、オゾンによるAQIが70だった場合、全体として表示されるAQIは120となります。

この場合、大気質を悪化させている主要な汚染物質はPM2.5ということになります。

AQIが高いときはどうすればよい?

AQIが高くなっている場合は、大気汚染物質への曝露を減らすことが基本的な対策になります。

特にAQIが高い時間帯には、長時間の激しい屋外運動を控えたり、屋外で過ごす時間を短くしたりすることが対策として考えられます。

ただし、注意が必要となるAQIの水準は、その人の健康状態などによっても異なります。

子ども、高齢者、心臓や肺に持病がある人など、大気汚染の影響を受けやすい人は、一般の人より低いAQIでも注意が必要になる場合があります。

AQIが高い場合には、利用しているAQIサービスが示す健康上の注意事項や、公的機関から発表されている情報を確認することが大切です。

日本ではAQIを使っている?

日本では、大気汚染の状況について、PM2.5、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化窒素、光化学オキシダントなどの大気汚染物質ごとに環境基準などが定められています。

そのため、日本国内の大気環境を確認するときには、海外で広く利用されているAQIだけを見るのではなく、環境省や自治体などが公表している各大気汚染物質の測定結果や注意喚起情報を確認することも重要です。

スマートフォンの天気アプリや海外の気象サービスでは日本国内についてもAQIが表示されることがありますが、サービスによって採用しているAQIの基準が異なる可能性があります。

数値だけを比較するのではなく、どの基準で算出されたAQIなのかを確認しましょう。

AQIが天気によって変化する理由

大気汚染物質の濃度は、排出量だけでなく気象条件によっても変化します。

風が強ければ大気汚染物質が拡散しやすくなる一方、風が弱い状態などでは汚染物質が滞留しやすくなる場合があります。

また、オゾンの生成には日射などの気象条件も関係します。

そのため、同じ地域であってもAQIは日や時間帯によって変化します。

AQIを外出や運動の判断材料として利用する場合には、一度確認するだけではなく、必要に応じて最新の情報を確認することが重要です。

まとめ

大気汚染指数(AQI)は、大気汚染の程度と健康への影響を理解しやすくするための指数です。

基本的には数値が低いほど大気の状態が良く、数値が高くなるほど健康への影響に注意が必要になります。

ただし、AQIは世界共通の単一基準ではなく、国や機関によって算出方法やカテゴリーが異なる場合があります。

また、PM2.5は大気汚染物質そのものを指す言葉であり、AQIとは意味が異なります。

天気アプリなどでAQIを確認するときは、単に数値を見るだけでなく、採用されている基準や主要な大気汚染物質、健康上の注意事項まで確認すると、大気の状態をより正しく判断できます。

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