人間ドックの結果表や病院の案内板で「放射線科」という文字を見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。
どんな症状のときにかかる科なのか、内科や放射線治療科とは何が違うのか、言葉だけではイメージがつかみにくいかもしれません。
放射線科とは、ひとことで言えば、エックス線やCT、MRIなどを使って体の中を調べたり、放射線でがんなどの病気に対応したりする診療科です。
この記事では、放射線科の役割や検査・治療の内容、内科・放射線治療科との違いについてわかりやすく解説します。
放射線科とは
放射線科とは、エックス線やCT、MRIといった機器を使って体の内部を画像にし、病気の有無や広がりを確認する診療科です。
多くの病院では、画像を使って診断する「画像診断」と、放射線でがんなどに働きかける「放射線治療」の両方を担っています。
患者から直接症状を聞いて治療方針を決めるというよりは、他の診療科からの依頼を受けて検査や治療を行う形が一般的です。
診断や治療の判断材料を他の科に提供する、病院の中の支え役ともいえる診療科です。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
放射線科という名前の由来
放射線科という名称は、エックス線など「放射線」を使って検査や治療を行うことから付けられています。
体を切らずに内部の様子を確認できる技術として医療に取り入れられ、専門の診療科として発展してきました。
その後、磁気を利用するMRIや音波を利用する超音波検査のように、放射線を使わない検査機器も登場しました。
それでも画像診断全体を担う科という位置づけはそのまま残り、現在の放射線科として呼ばれ続けています。
放射線科で行われる画像診断の種類
放射線科が担う画像診断には、目的に応じていくつかの検査方法があります。
主な画像診断の種類
- エックス線検査:骨折や肺の異常などを短時間で確認する検査
- CT検査:体を薄い断面で撮影し、臓器や病変の詳細を調べる検査
- MRI検査:磁気を利用し、脳や関節など軟らかい組織を映し出す検査
- 超音波検査:音波を使い、腹部の臓器などをリアルタイムで観察する検査
撮影した画像は放射線科の医師が読み取り、報告書として他の診療科の医師に伝える流れが一般的です。
放射線科で行われる放射線治療とは
放射線治療とは、高いエネルギーを持つ放射線をがんのある部位に照射し、がん細胞の増殖を抑えようとする治療法です。
手術で患部を切除する治療や、薬剤を使う治療と並んで、がんに対する治療の選択肢の一つに位置づけられています。
体の外から当てる方法のほか、体の中に小さな放射線源を入れて治療する方法もあり、病気の種類や場所によって選び方が異なります。
効果や体への影響は病状や個人差によって変わるため、治療方針は担当医との相談を通じて決めることが欠かせません。
IVR(画像下治療)とは
放射線科が担う領域には、画像を見ながら細い管や針を使って処置を行うIVRと呼ばれる方法もあります。
CTや超音波などで体の中を確認しながら、血管や臓器に細い管を通し、薬剤を届けたり病変部を処置したりします。
お腹を大きく切る手術と比べて体への負担が抑えられる場合があるとされ、治療の選択肢の一つとして用いられています。
どの治療法が向いているかは病状によって異なるため、担当医から説明を受けた上で検討することが望まれます。
放射線診断医と放射線治療医の違い
放射線科の医師は、画像診断を専門とする放射線診断医と、放射線治療を専門とする放射線治療医に分かれて活動することが多いです。
放射線診断医は、撮影された画像を読み取り、病気の有無や広がりを判断して他の診療科に伝える役割を担います。
放射線治療医は、がんなどの患者に対して放射線の当て方を計画し、治療の経過を見ていく役割を担います。
同じ放射線科という枠の中でも、仕事の内容は診断と治療とで大きく異なっています。
放射線科を受診する場面・具体例
放射線科という言葉を目にする場面には、日常の中でいくつかの例があります。
放射線科にかかわる場面の例
- 人間ドックや健康診断で胸部エックス線・CT検査を受けるとき
- けがをして骨折が疑われ、エックス線撮影を行うとき
- 頭痛やしびれの原因を調べるため、MRI検査を受けるとき
- がんの治療方針を決めるにあたり、放射線治療を検討するとき
これらの場面では、依頼を受けた放射線科の医師が画像を確認し、結果を担当の診療科に伝える形で診療が進みます。
放射線科と内科の違い
放射線科と内科は、診療の進め方が大きく異なります。
内科は、患者の訴えや症状を聞き取り、診察や検査を通じて病気を見つけ、治療方針を決める診療科です。
一方、放射線科は他の診療科からの依頼を受けて画像診断や放射線治療を行う、いわば後方から支える役割の診療科です。
| 比較項目 | 放射線科 | 内科 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 画像診断・放射線治療 | 症状の診察・内科的治療 |
| 患者との関わり方 | 他科からの依頼で検査・治療を担当 | 直接診察して治療方針を決める |
| 担当する範囲 | 画像を使った検査全般、がんの放射線治療 | 内臓を中心とした幅広い病気 |
放射線科と放射線治療科の違い
病院によっては、放射線科のうち治療を専門に行う部門を「放射線治療科」として独立させている場合があります。
放射線科が画像診断と放射線治療の両方を含む広い呼び名であるのに対し、放射線治療科は放射線によるがん治療に特化した呼び名です。
放射線治療科がある病院では、画像診断は別に放射線診断科として分けられていることもあります。
受診先を調べる際は、調べたい内容が画像診断なのか放射線治療なのかを確認しておくと、スムーズに進みます。
放射線科でよくある誤解
放射線科については、いくつか誤解されやすい点があります。
一つは、放射線科にかかれば必ず放射線を使った治療を受けることになるという誤解です。実際には画像診断だけで終わる受診も多くあります。
もう一つは、放射線治療はがんが進行した段階だけで行うものという誤解です。病気の種類や進行度によって、早い段階から選択肢として検討されることもあります。
検査や治療で使う放射線の量は目的に応じて管理されており、医師や技師が安全性に配慮しながら実施しています。
放射線科を受診する際の注意点
放射線科での検査や治療を受ける際には、気をつけておきたい点がいくつかあります。
妊娠している可能性がある場合や、ペースメーカーなどの体内機器を使っている場合は、事前に必ず伝える必要があります。
検査や治療の内容、体への影響については自己判断をせず、担当医や放射線科の医師から説明を受けて理解してから進めることが大切です。
気になることや不安な点があれば、遠慮せずに医療機関に相談することをおすすめします。
まとめ
放射線科は、エックス線やCT、MRIなどを使って体の内部を調べる画像診断と、放射線によるがんなどへの治療を担う診療科です。
画像診断を専門とする放射線診断医と、治療を専門とする放射線治療医に分かれて活動することが多く、病院によっては放射線治療科として部門が独立している場合もあります。
内科のように患者を直接診察して治療方針を決める科とは異なり、他の診療科からの依頼を受けて検査や治療を行う役割を担っています。
検査や治療の内容、体への影響には個人差があるため、気になる点があれば担当医に相談しながら理解を深めていくことが大切です。


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