ローミングとは、契約している通信事業者のネットワークを直接利用できない場所で、提携する別の通信事業者のネットワークを利用して通信する仕組みです。
特にスマートフォンでは、海外で現地の通信事業者のネットワークを利用する「国際ローミング」がよく知られています。
海外旅行や海外出張でスマートフォンを利用するときには、ローミングの仕組みを理解しておくことが重要です。設定や料金プランによっては追加料金が発生する場合があるためです。
この記事では、ローミングの意味や仕組み、データローミングとの違い、海外で利用するときの注意点について解説します。
ローミングとは
ローミング(roaming)とは、携帯電話やスマートフォンなどが、契約している通信事業者以外のネットワークを利用して通信する仕組みです。
携帯電話は通常、契約している通信事業者のネットワークに接続して、音声通話やSMS、データ通信などを行います。
しかし、契約先の通信事業者が直接サービスを提供していない地域では、そのままでは通信できません。
そこで利用されるのがローミングです。
通信事業者同士が提携することで、利用者は契約先とは異なる通信事業者のネットワークを経由して通信サービスを利用できます。
国際ローミングとは
国際ローミングとは、海外で現地の通信事業者のネットワークを利用して通信する仕組みです。
たとえば、日本の通信事業者と契約しているスマートフォンを海外へ持っていった場合、その日本の通信事業者が現地で自社の携帯電話ネットワークを提供しているとは限りません。
このような場合、提携している現地通信事業者のネットワークへ接続することで、対応するサービスを利用できます。
契約内容や渡航先などによって異なりますが、国際ローミングでは主に次のようなサービスが利用されます。
・音声通話
・SMS
・モバイルデータ通信
海外へ到着すると、スマートフォンが利用可能な現地ネットワークを検出し、自動的に接続する場合があります。
ローミングの仕組み
ローミングでは、利用者が契約している通信事業者と、実際に電波を提供する通信事業者が異なります。
たとえば、日本の通信事業者Aと契約している利用者が海外へ行き、現地の通信事業者Bのネットワークへ接続するとします。
この場合、通信事業者Bのネットワークを利用しながら、契約情報などを基にローミング利用者として通信サービスが提供されます。
通信事業者間ではローミングに関する契約やシステム連携が行われており、その仕組みによって利用者は海外でも普段使用しているSIMやeSIMを利用して通信できる場合があります。
データローミングとは
データローミングとは、ローミング先の携帯電話ネットワークを利用してモバイルデータ通信を行うことです。
スマートフォンには一般的に「データローミング」という設定があります。
データローミングを有効にすると、対応するローミング先でモバイルデータ通信を利用できるようになります。
たとえば海外で次のようなサービスを利用すると、モバイルデータ通信が発生します。
・Webサイトの閲覧
・メールの送受信
・メッセージアプリの利用
・SNSの閲覧や投稿
・地図アプリの利用
・動画や音楽のストリーミング
・アプリのバックグラウンド通信
データローミングを無効にすると、通常はローミング先の携帯電話ネットワークを利用したモバイルデータ通信が行われなくなります。
なお、データローミングをオフにしていても、Wi-Fiへ接続すればWi-Fi経由でインターネットを利用できます。
ローミングとWi-Fiの違い
ローミングとWi-Fiは、どちらも海外でインターネットを利用する方法として使われますが、通信方法が異なります。
ローミングは携帯電話会社のモバイルネットワークを利用します。一方、Wi-Fiはホテルや空港、店舗、モバイルWi-Fiルーターなどが提供する無線LANへ接続して通信します。
ローミングのメリットは、対応エリアであればWi-Fiスポットを探さなくても通信できることです。
一方、Wi-Fiは携帯電話のデータローミングとは別の通信手段であり、利用するWi-Fiサービスによって料金やセキュリティなどの条件が異なります。
海外でローミングを利用するメリット
国際ローミングの大きなメリットは、普段利用しているスマートフォンを海外でもそのまま使いやすいことです。
対応する契約であれば、現地で新しいSIMカードを購入しなくても通信できます。
また、海外へ到着したあとに対応ネットワークへ自動接続できる場合があり、設定の手間を抑えられる点もメリットです。
短期間の海外旅行や出張などでは、契約している通信事業者の海外向けサービスを利用することで、通信環境を比較的簡単に確保できます。
ローミング利用時の注意点
国際ローミングを利用するときに特に確認したいのが料金です。
国内で利用している料金プランが、そのまま海外にも適用されるとは限りません。
通信事業者や契約プランによっては、海外向けの定額サービスや一定量の海外データ通信が用意されています。一方、利用条件によっては国内とは異なる料金体系になる場合があります。
海外へ行く前には、契約している通信事業者で次の内容を確認しておきましょう。
・渡航先がローミング対象地域か
・データ通信料金はいくらか
・利用できるデータ容量はどの程度か
・海外向け定額サービスがあるか
・申し込みや事前設定が必要か
・音声通話やSMSの料金はいくらか
特にスマートフォンでは、利用者が操作していなくてもアプリの更新やクラウド同期などによってバックグラウンド通信が発生することがあります。
料金体系を把握していない場合は、意図しない通信を避けるためにもデータローミングの設定を確認することが重要です。
海外でインターネットを利用する主な方法
海外でスマートフォンをインターネットへ接続する方法は、国際ローミングだけではありません。
主な選択肢として、国際ローミング、現地SIM、海外対応eSIM、モバイルWi-Fiルーター、ホテルや空港などのWi-Fiがあります。
どの方法が適しているかは、渡航先、滞在期間、必要なデータ容量、料金、電話番号を利用する必要性などによって変わります。
短期間の旅行では国際ローミングの手軽さが便利な場合がありますが、長期滞在や大量のデータ通信を予定している場合には、現地SIMやeSIMなども含めて比較するとよいでしょう。
国内でもローミングが使われることがある
ローミングという言葉は海外通信だけを意味するものではありません。
国内でも、通信事業者同士の契約によって他社ネットワークを利用する仕組みが採用される場合があります。
そのため、「ローミング=海外」というわけではなく、本来は契約先とは異なる通信ネットワークを利用する仕組みを指す言葉です。
Wi-Fiローミングとは
「ローミング」は携帯電話ネットワーク以外でも使われる言葉です。
代表的なのがWi-Fiローミングです。
Wi-Fiローミングとは、複数のWi-Fiアクセスポイントが設置されている環境で、端末が移動した際に接続するアクセスポイントを切り替えながら通信を継続する仕組みを指します。
オフィスや学校、ホテルなど、広い範囲に複数のアクセスポイントが設置されている環境で利用されます。
携帯電話の国際ローミングとは仕組みや用途が異なるため、同じ「ローミング」という言葉でも文脈によって意味を判断する必要があります。
まとめ
ローミングとは、契約している通信事業者のネットワークを直接利用できない場所で、提携する別の通信事業者のネットワークを利用して通信する仕組みです。
スマートフォンでは特に、海外で現地通信事業者のネットワークを利用する「国際ローミング」が身近な例です。
また、ローミング中にモバイルデータ通信を利用するための設定が「データローミング」です。
国際ローミングは、普段使っているスマートフォンを海外でも利用しやすい便利な仕組みですが、料金やデータ容量、対象国・地域などの条件は通信事業者や契約プランによって異なります。
海外へ渡航する際は、データローミングを安易にオンにするのではなく、事前に契約内容や海外向け料金を確認してから利用することが重要です。


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