国民健康保険とは?意味や加入対象、社会保険・後期高齢者医療制度との違いをわかりやすく解説

国民健康保険 ナレッジ

国民健康保険という言葉は、市区町村から送られてくる保険料の通知や、転職・退職の際の手続き案内などで目にすることが多くあります。

自営業になったときや会社を辞めたとき、「国民健康保険に加入してください」と言われても、会社の健康保険と何が違うのか、何をすればいいのか分かりにくいものです。

一言でいえば、国民健康保険とは、会社の健康保険や後期高齢者医療制度に入っていない人のための公的な医療保険制度のことです。

この記事では、国民健康保険の意味や加入対象、社会保険・後期高齢者医療制度との違いについてわかりやすく解説します。

国民健康保険とは

国民健康保険とは、会社などに勤めて加入する健康保険(被用者保険)や、後期高齢者医療制度の対象にならない人が加入する公的な医療保険制度です。

自営業者やフリーランス、農業や漁業に従事する人、無職の人、会社を退職した人などが主な加入対象になります。

運営は加入者が住んでいる市区町村が中心となって行っており、都道府県も財政運営の面から関わっています。

加入者は保険料を負担する一方で、病気やけがで医療機関にかかったときは、かかった費用の一部を保険でカバーしてもらえます。

⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。

参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター

国民皆保険制度と国民健康保険の関係

日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入する「国民皆保険」という考え方がとられています。

会社の健康保険や公務員の共済組合、後期高齢者医療制度のいずれにも入っていない人は、原則として国民健康保険に加入することになります。

つまり国民健康保険は、国民皆保険の仕組みを成り立たせるための「受け皿」のような役割を担っている制度といえます。

誰かが保険に入らないまま医療費を全額自己負担する事態を避けるため、この仕組みが設けられています。

国民健康保険の加入対象者

国民健康保険の対象になるのは、会社の健康保険や共済組合、後期高齢者医療制度の被保険者ではない人です。

  • 自営業者やフリーランスとして働く人
  • 農業・漁業などに従事する人
  • パートやアルバイトで会社の健康保険に入っていない人
  • 退職して再就職していない人や無職の人

会社を退職すると、それまで加入していた健康保険の資格を失うため、国民健康保険への加入手続きが必要になることが多くあります。

なお、一定の条件を満たせば退職後も以前の健康保険を任意で継続できる制度もあり、どちらを選ぶかは状況によって検討する必要があります。

国民健康保険の運営のしくみ

国民健康保険は、加入者が居住する市区町村が保険者となって運営しています。

都道府県も市区町村とともに財政運営に関わる仕組みになっており、地域によって保険料の計算方法や金額には差があります。

加入者には国民健康保険の被保険者証が交付され、医療機関を受診する際にこれを提示することで、決められた自己負担の割合で診療を受けられます。

保険証の発行や保険料の通知、各種申請の窓口は、基本的に住んでいる市区町村の担当課になります。

国民健康保険の保険料はどう決まる?

国民健康保険の保険料は、世帯の所得や資産、加入している世帯員の人数などをもとに算定されます。

具体的な計算方法や料率は市区町村ごとに異なるため、同じ所得でも住んでいる自治体によって保険料の金額に差が出ることがあります。

収入が大きく減った場合や失業した場合など、一定の条件に当てはまるときは、保険料の減額や免除を申請できる仕組みが用意されています。

自分の保険料がどのように決まっているか気になる場合は、市区町村の窓口に問い合わせると詳しい説明を受けられます。

医療費の自己負担割合

国民健康保険に加入していると、医療機関で受診した際にかかった費用の全額を支払う必要はなく、一部の自己負担で診療を受けられます。

自己負担の割合は、加入者の年齢によって区分が設けられていて、年齢が上がるほど負担割合が低くなる傾向があります。

具体的な割合は制度の見直しによって変わることもあるため、正確な数字は市区町村や保険証に記載された内容で確認することが大切です。

高額療養費制度とは

入院や手術などで医療費が高額になった場合、国民健康保険には自己負担を一定の範囲に抑える高額療養費制度があります。

1か月あたりの自己負担額には上限が設けられており、それを超えた分は申請によって後から支給を受けられる仕組みです。

上限額は所得の状況などに応じて区分が分かれているため、気になる場合は加入している市区町村の窓口で確認するのが安心です。

あらかじめ限度額適用認定証を用意しておくと、医療機関での支払い自体を抑えられる場合もあります。

国民健康保険と社会保険の違い

ここでいう社会保険とは、会社などに勤める人が加入する被用者保険のことを指します。

大きな違いは加入対象で、社会保険は会社員や公務員など雇用されている人が対象になり、国民健康保険はそれ以外の人が対象になります。

保険料の決め方にも違いがあり、社会保険は給与額に応じて計算され、会社と本人がそれぞれ一部を負担します。

一方、国民健康保険は世帯の所得や資産などをもとに算定され、基本的に加入者本人がその全額を負担します。

項目国民健康保険社会保険
主な加入対象自営業者・無職の人など会社員・公務員など
運営者市区町村健康保険組合・協会けんぽなど
保険料の負担加入者本人が全額負担会社と本人で分担
保険料の算定基準世帯の所得・資産など給与額など

国民健康保険と後期高齢者医療制度の違い

後期高齢者医療制度は、高齢になった人を対象とした別の公的医療保険制度です。

一定の年齢に達すると、それまで加入していた国民健康保険から後期高齢者医療制度へ切り替わる仕組みになっています。

切り替えの時期や条件は制度によって定められているため、対象になる人には自治体から案内が届くのが一般的です。

運営主体も異なり、国民健康保険は市区町村が中心ですが、後期高齢者医療制度は都道府県単位で設けられた広域連合が運営しています。

国民健康保険の加入・脱退の手続き

会社を退職して国民健康保険に加入する場合は、退職日の翌日から一定期間以内に、住んでいる市区町村の窓口で手続きを行う必要があります。

反対に、就職して会社の健康保険に加入したときは、国民健康保険から脱退する手続きが必要になります。

手続きが遅れると、保険料の支払いが発生し続けたり、医療機関での対応に影響が出たりすることがあるため、早めに窓口へ相談することが望ましいです。

必要な持ち物や手続きの流れは自治体によって異なる場合があるので、事前に市区町村の案内を確認しておくと安心です。

国民健康保険の保険料の減免制度

病気やけが、失業、災害などによって収入が大きく減った場合、国民健康保険の保険料について減額や免除を申請できる制度があります。

申請には一定の条件や必要書類があり、内容は市区町村ごとに細かく定められています。

保険料の支払いが難しいと感じたときは、支払いを放置するのではなく、早めに市区町村の担当窓口に相談することが大切です。

状況に応じて、分割払いなどの対応が取られる場合もあります。

国民健康保険でよくある誤解

国民健康保険は「お金がない人だけが入る保険」という印象を持たれることがありますが、自営業者や退職者など多くの立場の人が加入する一般的な制度です。

また、保険料を支払っていれば医療費がすべて無料になるという誤解もありますが、実際には年齢に応じた自己負担が発生します。

さらに、会社を辞めた場合に手続きを忘れていても自動的に国民健康保険へ切り替わるわけではなく、自分で窓口に出向いて加入の申請をする必要があります。

保険料や制度の詳しい内容について不明な点があるときは、思い込みで判断せず、市区町村の窓口など公的な相談先に確認することをおすすめします。

まとめ

国民健康保険とは、会社の健康保険や後期高齢者医療制度に入っていない人を対象とした、市区町村が運営する公的医療保険制度です。

自営業者や無職の人など多くの立場の人が加入し、保険料を負担する一方で、医療機関にかかったときの費用の一部を保険でカバーしてもらえます。

社会保険とは加入対象や保険料の決め方が異なり、後期高齢者医療制度とは加入する年齢や運営主体が異なります。

保険料や自己負担額、減免制度など具体的な内容は市区町村によって違いがあるため、気になる点があれば住んでいる自治体の窓口に相談してみてください。

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