「国連」という言葉は、ニュースや新聞などで頻繁に登場します。戦争や紛争、難民問題、気候変動、貧困など、世界規模の問題について報道される際に耳にすることが多いでしょう。
国連とは「国際連合」の略称で、英語では「United Nations」、略して「UN」と呼ばれます。
では、国連は具体的にどのような目的でつくられ、どのような活動をしているのでしょうか。この記事では、国連の成り立ちから目的、主要機関、日本との関係までわかりやすく解説します。
国連とは
国連(国際連合)は、国際社会の平和と安全を維持し、各国が協力して世界共通の問題に取り組むための国際機関です。
国連は1945年10月24日に正式に発足しました。
第二次世界大戦では世界各地で甚大な被害が発生しました。その反省から、国家間の対立を可能な限り平和的に解決し、再び大規模な戦争が起こることを防ぐための国際的な枠組みとして国連が設立されました。
国連本部はアメリカのニューヨークに置かれています。
国連がつくられた背景
国連以前にも、国際平和を目指す組織として「国際連盟」が存在しました。
国際連盟は第一次世界大戦後の1920年に発足しましたが、第二次世界大戦を防ぐことはできませんでした。
第二次世界大戦中には、戦後の国際秩序をどのように構築するかについて連合国を中心に協議が進められました。
1945年にはアメリカのサンフランシスコで国際機構に関する会議が開かれ、国連の基本的なルールとなる「国際連合憲章(国連憲章)」が署名されました。
その後、国連憲章が発効した1945年10月24日に国連が正式に成立しました。
国連の目的
国連の目的は国連憲章に定められています。
中心となるのは、国際社会の平和と安全を維持することです。しかし、国連の活動は戦争や紛争への対応だけではありません。
主な目的として、次のようなものがあります。
- 国際の平和と安全を維持する
- 国家間の友好関係を発展させる
- 経済・社会・文化・人道上の国際問題について協力する
- 人権や基本的自由を尊重する
- 各国の活動を調整する中心的な役割を果たす
現在では、貧困、飢餓、感染症、難民、人権、教育、環境、気候変動など、国境を越えて影響する幅広い課題が国連の活動対象となっています。
国連の6つの主要機関
国連には、国連憲章によって6つの主要機関が設けられています。
総会
総会は、すべての国連加盟国によって構成される機関です。
各加盟国は原則として1票の投票権を持ち、国際社会が抱えるさまざまな問題について議論します。
国連の予算や新規加盟国に関する問題なども総会で扱われます。
安全保障理事会
安全保障理事会は、国際の平和と安全の維持について主要な責任を負う機関です。「安保理」と呼ばれることもあります。
安全保障理事会は15か国で構成され、そのうち5か国が常任理事国です。
常任理事国は次の5か国です。
- アメリカ
- イギリス
- フランス
- 中国
- ロシア
残る10か国は非常任理事国として選出されます。
常任理事国には、実質事項に関する決議について「拒否権」と呼ばれる強い権限があります。常任理事国の1か国でも反対票を投じると、必要な賛成票を満たしていても決議が成立しない場合があります。
経済社会理事会
経済社会理事会は、経済、社会、文化、教育、保健などの国際的な課題について協議や調整を行う機関です。
国連システムにおける経済・社会分野の活動を調整する重要な役割を担っています。
国際司法裁判所
国際司法裁判所(ICJ)は、国家間の法的な紛争などを国際法に基づいて扱う国連の主要な司法機関です。
所在地はオランダのハーグです。
個人を裁く裁判所ではなく、基本的に国家間の紛争を扱う点が特徴です。
事務局
事務局は、国連の日常的な業務を担当する組織です。
トップにあたるのが国連事務総長です。
国連の会議運営、調査、報告書作成、国際的な活動の支援など、幅広い業務を行っています。
信託統治理事会
信託統治理事会は、信託統治地域の施政を監督する目的で設置された機関です。
最後の信託統治地域だったパラオが独立したことを受け、1994年に定期的な活動を停止しました。
ただし、国連憲章上の主要機関としては現在も存在しています。
国連はどのような活動をしている?
国連の活動は非常に幅広く、世界各地でさまざまな取り組みが行われています。
代表的なものの一つが、紛争地域における国連平和維持活動(PKO)です。
PKOでは、それぞれの活動に与えられた任務に応じて、停戦の監視、文民の保護、選挙支援、治安部門の改革支援などが行われます。
また、国連システムでは人道支援や難民支援、食料問題、子どもの支援、保健、教育、開発などについても専門的な活動が行われています。
国連とSDGsの関係
国連に関連してよく聞く言葉が「SDGs」です。
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれます。
2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれたもので、2030年までの達成を目指す17の目標が設定されています。
貧困や飢餓の解消、質の高い教育、ジェンダー平等、安全な水、エネルギー、働きがい、気候変動への対策など、幅広い課題が対象です。
SDGsは一部の国だけを対象としたものではなく、先進国を含むすべての国が取り組む普遍的な目標として位置付けられています。
日本が国連に加盟したのはいつ?
日本は国連が発足した1945年当初からの加盟国ではありません。
日本が国連に加盟したのは、1956年12月18日です。
日本は国連加盟後、国連総会や安全保障理事会をはじめとするさまざまな場で国際協力に参加してきました。
また、国連の活動を支えるための分担金の負担や、平和維持活動、開発・人道支援などにも関わっています。
国連と国際連盟の違い
国連と混同されやすい組織に「国際連盟」があります。
国際連盟は第一次世界大戦後に設立された国際機関で、国際協力による平和維持を目的としていました。
一方、国連は第二次世界大戦後の1945年に設立されています。
国際連盟が第二次世界大戦を防げなかった経験なども踏まえ、国連では国際の平和と安全を維持するための仕組みが構築されました。
特に安全保障理事会には、国際平和と安全に関する重要な役割が与えられています。
国連は「世界政府」ではない
国連について理解するときに重要なのが、国連は世界各国を統治する「世界政府」ではないという点です。
国連に加盟している国々は、それぞれ独立した主権国家です。
国連は加盟国の上に立って世界全体を直接統治する組織ではなく、加盟国が国際的な問題について協議し、協力するための枠組みです。
また、国連ができることは国連憲章や加盟国の合意、各機関に与えられた権限などによって制約されています。
そのため、大きな国際問題が発生したからといって、国連が必ず自由に介入できるわけではありません。
国連の課題
国連は国際社会において重要な役割を担っていますが、さまざまな課題も抱えています。
特に安全保障理事会では、常任理事国が拒否権を持っています。そのため、常任理事国同士の利害が対立する問題では、安保理として有効な決定を行うことが難しくなる場合があります。
また、国連は加盟国によって構成される組織であるため、国際社会の政治的な対立や各国の立場の違いから大きな影響を受けます。
国際社会の状況が大きく変化するなかで、国連や安全保障理事会のあり方については継続的に議論されています。
まとめ
国連とは「国際連合」の略称で、英語ではUnited Nations(UN)と呼ばれます。
第二次世界大戦後の1945年に設立され、国際の平和と安全の維持、国家間の友好関係の発展、国際協力、人権の尊重などを目的として活動しています。
国連には総会、安全保障理事会、経済社会理事会、国際司法裁判所、事務局、信託統治理事会という6つの主要機関があります。
さらに国連システム全体では、平和維持だけでなく、貧困、難民、人権、保健、教育、環境、気候変動、持続可能な開発など、世界が直面する幅広い問題に取り組んでいます。
国連は世界を統治する政府ではありません。異なる立場を持つ国々が集まり、国境を越えた問題について話し合い、協力するための国際的な枠組みです。
世界情勢に関するニュースを理解するうえでも、国連の目的や安全保障理事会などの基本的な仕組みを知っておくことは重要です。

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