「イントラネット」という言葉は、企業や学校、官公庁などでよく使われます。「イントラに掲載しました」「詳しくは社内イントラを確認してください」といった表現を聞いたことがある人もいるでしょう。
イントラネットは、簡単にいえば組織内部で利用するためのネットワークや情報共有環境です。
この記事では、イントラネットの意味や仕組み、インターネットや社内LAN、エクストラネットとの違いについてわかりやすく解説します。
イントラネットとは
イントラネット(Intranet)とは、企業や学校、官公庁などの組織内で利用されるネットワークや情報システムのことです。
主に社員や職員など、許可された利用者が業務情報を共有したり、社内システムを利用したりするために使われます。
一般に公開されているインターネットとは異なり、イントラネットでは利用者を組織内部などの特定の範囲に限定します。
企業では、社内ポータルサイト、社内掲示板、文書共有システムなどがイントラネットの代表的な利用例です。
「イントラ」の意味
職場では、イントラネットを略して「イントラ」と呼ぶことがあります。
たとえば、
「詳細はイントラを確認してください」
「イントラに新しい社内規定が掲載されています」
といった使い方です。
この場合の「イントラ」は、社内ポータルサイトなど、組織内部向けの情報共有環境を指していることが一般的です。
英語の「intra-」には「内部の」「内側の」といった意味があります。これに「network」を組み合わせたものが「intranet」です。
イントラネットの仕組み
イントラネットは、インターネットとは利用できる人の範囲が異なりますが、技術的にはインターネットと共通する仕組みが広く利用されています。
たとえば、Webブラウザから社内Webサイトへアクセスしたり、HTTPやHTTPSなどを利用して情報をやり取りしたりします。
そのため利用者側から見ると、一般的なWebサイトを閲覧する場合と似た操作で利用できるシステムも少なくありません。
一方で、組織内部の情報を扱うため、ユーザーIDやパスワードなどによる認証、アクセス権限の設定、通信の暗号化といったセキュリティ対策が重要になります。
また、イントラネットは必ずしも会社の建物内だけで完結するものではありません。クラウドサービスなどを利用し、認証された利用者が社外からアクセスできる環境を構築することもあります。
イントラネットでできること
イントラネットは、組織内の情報共有や業務効率化などを目的として利用されます。
代表的な用途には、次のようなものがあります。
・社内ニュースや重要なお知らせの掲載
・就業規則や社内規定の公開
・業務マニュアルの共有
・社内文書やファイルの共有
・社員名簿や組織図の確認
・社内掲示板の運営
・勤怠管理システムの利用
・経費精算システムの利用
・各種申請手続き
・社内業務システムへの入口
複数の社内システムへのリンクをまとめた「社内ポータル」を用意し、イントラネットの入り口として利用するケースもあります。
イントラネットとインターネットの違い
イントラネットとインターネットの大きな違いは、利用者の範囲です。
インターネットは世界規模で相互接続されたネットワークであり、公開されているWebサイトやサービスには幅広い利用者がアクセスできます。
一方、イントラネットは企業や学校などの組織内で利用することを目的としており、原則として許可された利用者だけが利用します。
ただし、イントラネットとインターネットが技術的に完全に別物というわけではありません。イントラネットでも、TCP/IPやHTTP/HTTPSなど、インターネットで利用される技術が使われています。
つまり、「使用している技術」よりも「誰に利用させるための環境なのか」が重要な違いといえます。
イントラネットと社内LANの違い
イントラネットと混同されやすい言葉に「社内LAN」があります。
LAN(Local Area Network)は、オフィスや学校、家庭など、比較的限定された範囲にあるコンピューターやネットワーク機器を接続するネットワークです。
社内LANは、企業内のパソコンやサーバー、プリンターなどを接続するためのネットワーク基盤を指します。
一方、イントラネットは、そのようなネットワーク環境を利用して提供される社内向けの情報共有・業務環境を含む概念として使われます。
そのため、「社内LAN=イントラネット」と単純に同一視するのは正確ではありません。
イントラネットとエクストラネットの違い
イントラネットとあわせて覚えておきたい言葉が「エクストラネット(Extranet)」です。
エクストラネットは、イントラネットの一部などを、取引先や協力会社、顧客といった組織外の特定利用者にも利用できるようにした仕組みです。
たとえば、メーカーが取引先向けに在庫情報や発注システムを提供するといったケースが考えられます。
インターネットが広く一般に利用されるネットワーク、イントラネットが主に組織内部向けの環境、エクストラネットが許可された外部利用者まで対象を広げた環境、と整理すると理解しやすいでしょう。
イントラネットを導入するメリット
イントラネットを活用するメリットの一つは、組織内の情報を一元的に共有しやすくなることです。
重要なお知らせや業務マニュアルなどをイントラネットに集約すれば、社員が必要な情報を探しやすくなります。
また、各種業務システムへの入口を社内ポータルにまとめれば、日常業務で利用するサービスへアクセスしやすくなります。
さらに、部署をまたいだ情報共有や社内コミュニケーションを支える基盤として利用することもできます。
イントラネット利用時の注意点
イントラネットは利用者が限定されているからといって、必ずしも安全とは限りません。
不正アクセスだけでなく、アカウント情報の流出、誤操作による情報漏えい、権限設定の不備などにも注意する必要があります。
そのため、イントラネットを運用する際には、適切なアクセス権限の設定やアカウント管理、通信の暗号化、ソフトウェアの更新、ログの管理など、複数のセキュリティ対策を組み合わせることが重要です。
また、利用者側もパスワードを適切に管理し、機密情報を不用意に外部へ持ち出さないなど、組織が定めた情報セキュリティルールを守る必要があります。
クラウド時代のイントラネット
従来のイントラネットには、社内に設置されたサーバーや社内ネットワークを中心として構築されるものが多くありました。
現在ではクラウドサービスの普及により、イントラネットに相当する情報共有環境をクラウド上に構築することも可能です。
テレワークや複数拠点での勤務が一般化した組織では、利用者の場所だけでアクセス可否を判断するのではなく、利用者や端末を適切に認証・認可する考え方も重要になっています。
そのため、現代のイントラネットは単純な「社内だけの閉じたネットワーク」に限定されず、適切なアクセス制御のもとで組織内の情報や業務システムを利用するための環境として捉えると理解しやすいでしょう。
まとめ
イントラネットとは、企業や学校、官公庁などの組織内部で利用されるネットワークや情報システムのことです。
社内ニュースの配信、マニュアルや文書の共有、社内掲示板、勤怠管理、経費精算など、さまざまな用途に活用されています。
インターネットとの大きな違いは利用者の範囲であり、イントラネットは原則として組織内などの許可された利用者を対象とします。
また、社内LANはネットワーク基盤を指すのに対し、イントラネットはその基盤などを利用した組織内向けの情報共有・業務環境を指す点にも違いがあります。
クラウドサービスやテレワークが普及した現在では、イントラネットの形も変化しています。しかし、「組織内部の情報共有や業務を支えるための環境」という基本的な役割は変わりません。

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