春先に目がかゆくなったときや、子どもが目を真っ赤にして帰ってきたときなどに「結膜炎」という言葉を耳にすることがあります。
目の充血や目やにが出ると、放っておいていいのか、人にうつるのか、どの病院に行けばよいのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
結膜炎とは、目の表面とまぶたの裏側を覆う結膜という薄い膜に炎症が起こる病気の総称で、原因によっていくつかのタイプに分かれます。
この記事では、結膜炎の意味や種類、原因や症状、ものもらい・ドライアイとの違いについてわかりやすく解説します。
結膜炎とは
結膜炎とは、目の白目の部分とまぶたの裏側を覆う結膜という薄い膜に、炎症が起こる状態の総称です。
結膜は普段、外からのほこりや細菌、異物から目を守る役割を果たしている部分です。
この結膜にウイルスや細菌、アレルギー反応などが加わると、充血やかゆみ、目やにといった症状が現れます。
結膜炎は一つの病気を指す言葉ではなく、原因が異なるいくつかのタイプをまとめて呼ぶ名称といえます。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
結膜炎の主な種類
結膜炎は、原因によって大きくウイルス性、細菌性、アレルギー性の三つに分けられます。
同じ結膜炎でも、タイプによって症状の出方や人にうつるかどうかが異なります。
| 種類 | 主な原因 | うつる可能性 |
|---|---|---|
| ウイルス性結膜炎 | ウイルスの感染 | うつることがある |
| 細菌性結膜炎 | 細菌の感染 | うつることがある |
| アレルギー性結膜炎 | 花粉やハウスダストなど | うつらない |
自分の症状がどのタイプに当たるかは見た目だけで判断しにくく、眼科での診察で確認することが大切です。
結膜炎の主な原因
ウイルス性結膜炎は、アデノウイルスなどのウイルス感染をきっかけに起こることが知られています。
強い感染力を持つタイプがあり、いわゆる「はやり目」と呼ばれることもあります。
細菌性結膜炎は、細菌が結膜に感染することで起こり、幼い子どもにも見られる炎症です。
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルゲンに結膜が反応して起こります。
このほか、コンタクトレンズの汚れやプールの水、乾燥した環境なども、結膜炎のきっかけになることがあります。
結膜炎の主な症状
結膜炎に共通する症状として、目の充血、かゆみ、目やに、涙目などが挙げられます。
ウイルス性結膜炎では、水っぽい目やにが多く出て、片方の目から始まり両目に広がることがあります。
細菌性結膜炎では、黄色っぽく粘り気のある目やにが出やすいことが特徴とされています。
アレルギー性結膜炎では、強いかゆみが出やすく、左右の目に同時に症状が現れやすい傾向があります。
症状の組み合わせだけで原因を正確に見分けるのは難しいため、気になる場合は眼科での確認が安心です。
結膜炎はうつる?感染経路と注意点
ウイルス性結膜炎や細菌性結膜炎は感染力を持つため、人から人へうつることがあります。
目やにが付いた手でタオルやドアノブ、スイッチなどに触れることで、周囲に広がるケースもあります。
一方、アレルギー性結膜炎は感染症ではないため、人にうつる心配はありません。
- こまめに手を洗う
- 目を不用意に触らない
- タオルや枕カバーを家族と分ける
- 症状がある間はプールなどを控える
感染性の結膜炎が疑われる場合は、上記のような対策を取り、周囲への配慮を心がけることが勧められます。
結膜炎の治療方法
結膜炎の治療は原因によって異なり、タイプに合わない目薬では十分な効果が得られないことがあります。
細菌性結膜炎には、細菌の増殖を抑える点眼薬が使われることが一般的です。
ウイルス性結膜炎には、炎症や症状を和らげる点眼薬が用いられ、経過を見ながら治療が進められます。
アレルギー性結膜炎には、かゆみを抑える抗アレルギー薬の点眼薬が処方されることが多くあります。
自己判断で市販薬だけに頼ると回復が長引くこともあるため、症状が続く場合は眼科医に相談することが勧められます。
結膜炎とものもらいの違い
ものもらいとは、まぶたにある分泌腺が細菌感染を起こし、部分的に腫れや痛みが出る病気です。
結膜炎は結膜全体に炎症が広がるのに対し、ものもらいはまぶたの一部に限られた腫れが中心になります。
ものもらいでは結膜炎のような強いかゆみや大量の目やには出にくく、しこりのような腫れや痛みが主な症状です。
見た目だけでは区別しにくいこともあるため、迷う場合は眼科で診てもらうと安心です。
結膜炎とドライアイの違い
ドライアイとは、涙の量や質が低下し、目の表面が乾きやすくなる状態を指します。
結膜炎のような強い充血や目やにはあまり目立たず、乾燥感や疲れ目、かすみ目が主な症状になります。
ただしドライアイが長く続くと結膜に炎症が起こりやすくなり、両方の症状が重なることもあります。
症状の見分けがつきにくいと感じたときは、放置せず眼科で相談することが勧められます。
結膜炎を予防するには
こまめな手洗いを行い、目をむやみに触らない習慣をつけることが基本の予防策になります。
家族内での感染を防ぐため、タオルや枕カバーなど目に触れるものを分けて使うことも役立ちます。
アレルギー性結膜炎を防ぐには、花粉やハウスダストが多い時期に外出時の眼鏡を活用し、室内をこまめに掃除するとよいでしょう。
コンタクトレンズを使用する人は、レンズやケースを清潔に保ち、正しい使用方法を守ることも大切です。
結膜炎かもと思ったら受診の目安
目の充血やかゆみ、目やにが数日経っても改善しない場合は、眼科への受診が勧められます。
視力の低下や強い痛み、まぶたの大きな腫れを伴う場合は、早めに医療機関へ相談した方がよいとされています。
片目から両目へ症状が広がる、家族にも同じような症状が出たという場合は、感染性結膜炎の可能性も考えられます。
自己判断で市販薬だけに頼らず、気になる症状が続くときは眼科医に相談し、原因に合った対応を確認することが大切です。
結膜炎によくある誤解
「結膜炎は放っておけば自然に収まる」と思われがちですが、原因によっては症状が長引くこともあります。
「目薬をさしていれば安心」と考えがちですが、原因に合わない目薬では十分な効果が出にくい場合があります。
「大人にはうつらない」というのも誤解で、大人同士でも感染性の結膜炎はうつることがあります。
こうした思い込みにとらわれず、気になる症状があれば専門家に相談する姿勢が大切です。
まとめ
結膜炎とは、目の結膜という粘膜に炎症が起こる病気の総称で、ウイルス性・細菌性・アレルギー性に大きく分けられます。
原因によって症状の出方や人にうつるかどうかが異なるため、自己判断に頼らず眼科で原因を確認することが大切です。
ものもらいやドライアイと似た症状が出ることもありますが、炎症が起こる場所や主な症状には違いがあります。
目の違和感が続くときは、早めに眼科へ相談し、原因に合った対処を行うようにしましょう。

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