癇癪とは?意味や原因、かんしゃく持ち・発達障害との違いをわかりやすく解説

癇癪 ナレッジ

子育てをしていると「うちの子は癇癪がひどくて困る」という話を耳にすることがあります。保育園や児童館、ママ友との会話でもよく出てくる言葉です。

癇癪という言葉はなんとなく分かっていても、どこからが癇癪で、どこからが「かんしゃく持ち」という性格の話になるのか、発達障害と関係があるのかなど、気になる点は多いのではないでしょうか。

一言でいうと、癇癪とは怒りや不満などの感情を抑えきれず、泣き叫んだり暴れたりして表に出してしまう状態のことです。

この記事では、癇癪の意味や原因、起こる仕組み、かんしゃく持ち・発達障害との違いについてわかりやすく解説します。

癇癪とは

癇癪とは、怒りや不満、欲求不満などの感情をうまく抑えられず、激しく泣き叫んだり、物を投げたり、床に転がったりする行動として表れる状態のことです。

特に幼い子どもに多く見られ、子育てをする中で誰もが一度は向き合う悩みのひとつといえます。

大人にも使われる言葉で、感情が高ぶって抑えが効かなくなった様子を指して「癇癪を起こす」と表現することもあります。

癇癪は病名や診断名ではなく、感情のコントロールがうまくいかずに起こる一時的な状態を表す言葉として使われています。

⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。

参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター

癇癪の語源・由来

癇癪は「癇」と「癪」という二つの漢字から成る言葉です。

「癇」には神経の高ぶりやひきつけのような状態を表す意味があり、「癪」はもともと胸や腹に起こる痛みや不快感を指す言葉として使われてきました。

この二つが組み合わさり、感情が高ぶって抑えが効かなくなる状態を指す言葉として、古くから日常語として使われてきたと考えられています。

厳密な語源の経緯については資料によって説明が異なる部分もあるため、一つの由来として参考程度にとらえておくとよいでしょう。

癇癪が起こる仕組み

癇癪が起こる背景には、感情をコントロールする脳の働きが関わっていると考えられています。

感情をいったん抑えたり、別の方法に切り替えたりする力は、年齢や経験とともに少しずつ育っていくものです。

幼い子どもはこの力がまだ十分に発達していないため、強い感情が生じるとそのまま行動として爆発的に表れやすくなります。

さらに、言葉で気持ちを説明する力も発達の途中にあるため、「伝えられないもどかしさ」が癇癪を後押しすることもあります。

癇癪が起きやすい年齢と時期

癇癪は、自我が育ち始める一方で言葉の表現力がまだ追いついていない時期に多く見られます。

一般的には1〜3歳頃に目立ちやすく、いわゆる「イヤイヤ期」と重なる時期に起こることが多いとされています。

この時期を過ぎて言葉で気持ちを説明できるようになると、癇癪の頻度や強さは落ち着いていく傾向があります。

ただし、落ち着く時期やペースには個人差があり、年齢だけで単純に判断できるものではありません。

癇癪の主な原因

癇癪の背景には、生理的な要因と心理的な要因、環境的な要因が重なっていることが多いです。

  • 空腹や睡眠不足など、体の不調やコンディションの乱れ
  • 欲しいものが手に入らない、やりたいことができないなどの欲求不満
  • うまく言葉で気持ちを伝えられないもどかしさ
  • いつもと違う環境や予定の変化による不安や戸惑い
  • 注目してほしい、構ってほしいという気持ち

こうした要因が一つではなく複数重なったときに、癇癪として表れやすくなると考えられています。

癇癪が起きたときの対処法

癇癪が起きたとき、周囲の対応の仕方によって落ち着くまでの時間や子どもの受け止め方が変わってきます。

  • まずは「悲しいね」「悔しいね」など気持ちを言葉にして受け止める
  • 危険な行動(頭をぶつける、物を投げるなど)は毅然と止める
  • 癇癪が落ち着くまで、無理に説得せず近くで寄り添う
  • 癇癪の最中に出てきた要求には応じず、落ち着いた後に話す
  • 落ち着いた後は、どうすればよかったかを一緒に振り返る

大切なのは、感情そのものを否定せず、行動のうち危険な部分だけを止めるという姿勢です。

対応に迷うことが続く場合は、自分だけで抱え込まず、保健師や保育士など身近な専門職に相談してみるのも一つの方法です。

癇癪を使った例文

  • スーパーでお菓子を買ってもらえず、子どもが床に転がって癇癪を起こした。
  • 疲れているときほど癇癪がひどくなる気がする。
  • 癇癪を起こした子どもを、怒らずに落ち着いて見守った。
  • 会議で意見が通らず、思わず癇癪を起こしそうになった。
  • 弟は小さい頃、よく癇癪を起こして泣き叫んでいた。

癇癪とかんしゃく持ちの違い

「癇癪」は、感情が抑えられずに泣き叫んだり暴れたりする一時的な状態や出来事を指す言葉です。

一方「かんしゃく持ち」は、そうした癇癪を起こしやすい性質や気質を持つ人そのものを指す表現として使われます。

項目癇癪かんしゃく持ち
意味感情が抑えられず暴れたり泣き叫んだりする状態・出来事癇癪を起こしやすい性質や傾向を持つこと
使われ方「癇癪を起こす」のように出来事を表す「あの人はかんしゃく持ちだ」のように人を表す
対象子ども・大人どちらにも使う主に気質・性格を表すときに使う

「かんしゃく持ち」という表現は、相手の性格を断定的に決めつける響きを持つこともあるため、使う場面には配慮が必要です。

癇癪と発達障害の違い

癇癪は多くの子どもに見られる発達の一過程であり、それ自体が発達障害を意味するものではありません。

一方で、発達障害の特性がある場合、感覚の過敏さや見通しの立てにくさなどから、癇癪が強く出やすかったり、長く続きやすかったりする傾向があるとも言われています。

そのため、癇癪があるからといって発達障害があると決めつけることはできませんし、逆に発達障害があっても癇癪が目立たない子どももいます。

癇癪が極端に激しい、頻度が高い、年齢が上がっても改善しないなど気になる点が続く場合は、自己判断せずに小児科や発達相談の窓口など専門家に相談することをおすすめします。

癇癪に関するよくある誤解

癇癪は「わがまま」や「しつけ不足」と誤解されやすい言葉ですが、必ずしもそうとは限りません。

幼い時期の癇癪は、感情や言葉をコントロールする力がまだ育っていないために起こる自然な現象とされています。

また、「癇癪を起こしたらすぐ要求を聞いてあげればおさまる」という考え方も、長い目で見ると適切な対応とは言いきれません。

要求に応じるかどうかと、気持ちを受け止めるかどうかは分けて考えることが、誤解を避けるポイントになります。

大人の癇癪について

癇癪は子どもに限らず、大人にも使われる言葉です。

強いストレスや疲労、見通しが立たない状況などが重なったときに、感情を抑えきれず声を荒げたり物に当たったりしてしまうことがあります。

大人の場合も、背景には疲労や睡眠不足、ストレスの蓄積などが関わっていることが多いとされています。

癇癪のような状態が頻繁に続き、生活や人間関係に影響が出ている場合は、心身の不調が隠れていることもあるため、専門の相談機関に相談することを検討してみてください。

専門家への相談を考えたいサイン

  • 癇癪の程度が年齢にしては極端に激しい
  • 年齢が上がっても癇癪の頻度や強さが変わらない
  • 癇癪のときに自分や周囲を強く傷つける行動が目立つ
  • 癇癪以外にも言葉の発達やコミュニケーションで気になる点がある
  • 家庭だけでの対応に限界を感じている

これらに当てはまる場合でも、それだけで発達障害などと判断できるわけではありません。

気になる点がある場合は、自己判断で思い込まず、小児科や地域の子育て相談窓口、保健センターなど専門機関に相談してみることをおすすめします。

まとめ

癇癪とは、怒りや不満などの感情をうまく抑えられず、泣き叫んだり暴れたりする行動として表れる状態のことです。

特に1〜3歳頃の子どもに多く見られますが、大人にも起こりうる現象であり、病名や診断名ではありません。

「かんしゃく持ち」は癇癪を起こしやすい性質そのものを指す言葉で、癇癪という出来事とは少し意味が異なります。

癇癪があることと発達障害があることは直結しませんが、気になる点が続く場合は、自己判断せず専門家に相談しながら向き合っていくことが大切です。

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