メガネやコンタクトレンズを作るときに「乱視が入っていますね」と言われた経験がある人は多いのではないでしょうか。
近視や遠視とは違うと聞いても、具体的に何がどう違うのか、よくわからないという人も少なくありません。
乱視とは、目に入った光がうまく一点に集まらず、物がぼやけたり二重に見えたりする目の状態を指します。
この記事では、乱視の仕組みや原因、近視・遠視との違い、矯正方法についてわかりやすく解説します。
乱視とは
乱視は、目に入った光が網膜の一点にきれいに集まらず、ピントがぼやけてしまう状態です。
近視や遠視のように焦点が前後にずれるのではなく、方向によって焦点の位置そのものが分かれてしまう点が特徴です。
原因の多くは角膜の表面にあるわずかなゆがみで、生まれつき乱視を持つ人は少なくありません。
物の輪郭が二重に見えたり、縦の線と横の線で見え方が違ったりするのが代表的なサインです。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
乱視が起こる仕組み
角膜や水晶体の形とピントの関係
健康な目では、角膜と水晶体が均一な丸みを持つカーブを描き、光をきれいに一点へ集めます。
このカーブが縦方向と横方向で異なる強さを持つと、光は一か所ではなく複数の場所で像を結ぼうとします。
その結果、網膜の上にははっきりした一点の像ではなく、ぼやけた像や二重の像が映し出されます。
ゆがみが角膜にある場合を角膜乱視、水晶体にある場合を水晶体乱視と呼び分けることもあります。
乱視の主な原因
乱視の多くは生まれつきのもので、成長とともに角膜の形が少しずつ変化しながら定まっていきます。
目を強くこする習慣や、まぶたからの圧迫が続くことも、角膜の形に影響を与える場合があります。
角膜に傷やけがを負ったあと、修復の過程で表面が不均一になり、乱視が強くなることもあります。
円錐角膜のように角膜が薄く変形していく病気が背景にあるケースもあるため、急に乱視が強くなったときは注意が必要です。
乱視の種類(正乱視と不正乱視)
正乱視
正乱視は、角膜のゆがみが規則的で、縦と横などの一定の方向にそろっているタイプです。
ゆがみ方が予測しやすいため、メガネや乱視用のコンタクトレンズで矯正しやすいとされています。
不正乱視
不正乱視は、角膜の表面が不規則に凹凸しており、ゆがみの方向がそろっていないタイプです。
通常のメガネでは矯正しきれないことが多く、ハードコンタクトレンズなどで表面の形を補う方法がとられます。
乱視による見え方・症状
- 物の輪郭がぼやけたり、二重に見えたりする
- 近くも遠くも見えにくく感じることがある
- 文字の縦線と横線で、はっきり見える方向とぼやける方向が分かれる
- 目を細めると一時的に見やすくなる
- 目の疲れや頭痛、肩こりにつながることがある
乱視の度数や種類によって、見え方の感じ方には個人差があります。
乱視と近視の違い
| 項目 | 乱視 | 近視 |
|---|---|---|
| 焦点のずれ方 | 方向によって焦点の位置がばらける | 焦点が網膜より手前にずれる |
| 見え方の特徴 | 輪郭がぼやけたり二重に見えたりする | 遠くの物がぼやけて見える |
| 主な原因 | 角膜や水晶体の形のゆがみ | 眼球の奥行きが長いことなど |
近視は遠くが見えにくいのに対し、乱視は距離に関わらず像がゆがんで見える点が異なります。
実際には近視と乱視をあわせ持つ人が多く、両方の性質が混ざった見え方になることも珍しくありません。
乱視と遠視の違い
遠視は、焦点が網膜よりも奥で結ばれてしまい、近くの物が特に見えにくくなる屈折異常です。
乱視は焦点が前後ではなく、方向ごとに分かれてしまう点で遠視とは仕組みが異なります。
遠視も乱視も生まれつき持っていることが多く、年齢とともに自覚症状が変わることがあります。
遠視と乱視を併せ持つ場合は、度数のバランスを見ながら矯正方法を決めていきます。
乱視はどうやって調べる?
視力検査と角膜の検査
乱視の有無や強さは、眼科や眼鏡店で行う視力検査である程度わかります。
乱視表と呼ばれる放射状の線を見て、くっきり見える方向とぼやける方向を確認する検査が用いられます。
より詳しく調べる場合は、角膜の形を測定する機器を使い、ゆがみの方向や強さを数値化します。
自己判断せず、定期的に眼科で検査を受けることで、度数の変化に早く気づくことができます。
乱視の矯正方法
正乱視の多くは、乱視用に度数を調整したメガネで矯正できます。
コンタクトレンズの場合は、トーリックレンズと呼ばれる乱視矯正用のレンズが使われます。
不正乱視など通常のレンズでは矯正しづらい場合は、ハードコンタクトレンズが選ばれることもあります。
角膜の形を整える手術という選択肢もありますが、適応できるかどうかは目の状態によって異なるため、眼科医の診察を受けたうえで判断することが大切です。
乱視を放置するとどうなる?
軽い乱視であれば、矯正しなくても日常生活に大きな支障が出ないこともあります。
ただし、ぼやけた像を脳が無理に補おうとするため、目の疲れや頭痛、肩こりにつながる場合があります。
子どもの場合、乱視を放置すると視力の発達そのものに影響することもあるため、注意が必要です。
見え方に違和感があるときは、我慢せずに眼科で相談することをおすすめします。
乱視によくある誤解
「乱視は目を酷使した人だけがなるもの」と思われがちですが、実際には生まれつき乱視を持つ人がほとんどです。
「乱視は治らない目の病気」と捉えられることもありますが、多くは病気ではなく目の形の個人差によるものです。
「近視の人は乱視にならない」というわけでもなく、近視と乱視を同時に持つ人は多く見られます。
度数や見え方は人によって異なるため、インターネットの情報だけで判断せず、専門家に確認することが安心につながります。
まとめ
乱視は、角膜や水晶体の形のわずかなゆがみによって、光の焦点が一点に集まらなくなる屈折異常です。
近視や遠視とは焦点のずれ方が異なり、方向によって見え方が変わる点が特徴です。
正乱視と不正乱視では矯正方法が異なり、メガネやトーリックレンズ、場合によっては手術など選択肢もさまざまです。
見え方に気になる点があるときは、自己判断せず、眼科で検査を受けて自分に合った矯正方法を相談してみてください。


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