ニュースや天気予報では、「台風第10号」のような番号だけでなく、「サンサン」「コイヌ」などの名前を耳にすることがあります。
同じ台風に番号と名前の両方があるため、「番号はどうやって決まるの?」「名前は誰が付けているの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
台風の番号と名前には、それぞれ異なるルールがあります。ここでは、日本で使われる台風の番号と、国際的に使われる「アジア名」の仕組みについて解説します。
台風には「番号」と「名前」がある
日本で台風を識別するときには、主に「台風第○号」という番号が使われています。
一方、北西太平洋や南シナ海の台風には、国際的な呼名として「アジア名」も付けられます。
たとえば、2024年の台風第10号には「Shanshan(サンサン)」というアジア名が付けられていました。
つまり、「台風第10号」と「サンサン」は別々の台風を表しているのではなく、2024年の場合は同じ台風を異なる方式で表したものです。
台風の番号はどう決まる?
気象庁では、毎年1月1日以降に発生した台風について、発生した順番に番号を付けています。
その年に最初に発生した台風が「台風第1号」、2番目が「台風第2号」、10番目であれば「台風第10号」です。
年が変わると番号はリセットされ、再び台風第1号から始まります。
そのため、「台風第10号」という番号だけでは、どの年の台風なのかを一意に特定できません。正式に特定する場合には、年と組み合わせて「令和○年台風第10号」などと表記します。
一度弱まって再び台風になった場合はどうなる?
台風が弱まり、最大風速が台風の基準を下回って熱帯低気圧になった後、再び発達して台風になる場合があります。
この場合、新しい台風として別の番号が付けられるわけではありません。
一度付けられた台風番号と同じ番号が引き続き使用されます。
台風の「名前」はアジア名
北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には、「アジア名」と呼ばれる名前が付けられています。
アジア名は2000年から使用されており、台風委員会の加盟国・地域などが提案した名前をもとに構成されています。
台風委員会は、北西太平洋や南シナ海における台風防災などについて協力する政府間組織です。
アジア各国・地域になじみのある名称を使用することで、防災意識を高めることや、文化の尊重、連帯の強化、相互理解などにつなげる目的があります。
台風の名前は140個のリストから順番に使われる
台風のアジア名は、その都度自由に考えて付けているわけではありません。
あらかじめ用意された140個の名前があり、基本的にはリストの順番に使用されます。
140番目まで使用すると、再びリストの最初に戻ります。
台風番号とは異なり、アジア名の順番は年が変わったからといって最初に戻るわけではありません。前年の続きから使用されます。
気象庁によると、台風の年間発生数の平年値は25.1個であるため、アジア名はおおむね5~6年で一巡します。
日本も台風の名前を提案している
アジア名のリストには、日本が提案した名前も含まれています。
日本が提案しているのは、主に星座に由来する名前です。
2026年時点のリストでは、次の10個が日本から提案されています。
| アジア名 | 読み方 | 由来 |
|---|---|---|
| Koinu | コイヌ | こいぬ座 |
| Hebi | ヘビ | へび座 |
| Koto | コト | こと座 |
| Koguma | コグマ | こぐま座 |
| Tokage | トカゲ | とかげ座 |
| Kajiki | カジキ | かじき座 |
| Kujira | クジラ | くじら座 |
| Tokei | トケイ | とけい座 |
| Yamaneko | ヤマネコ | やまねこ座 |
| Tomo | トモ | とも座 |
星座名が採用されている理由の一つは、特定の個人や企業、商標、地名などに偏らない中立的な名称にしやすいことです。
また、台風が大気現象であることから、天空にある星座とのイメージ上の関連性があることなども理由として挙げられています。
台風の名前には一定の条件がある
アジア名として採用される名前には一定の条件があります。
たとえば、アルファベットで9文字以内であること、音節が多すぎず発音しやすいこと、ほかの加盟国・地域の言語で不適切な意味にならないことなどが考慮されています。
各国・地域が好きな名前を自由に付けているわけではなく、国際的に使用しやすい名称になるよう配慮されています。
大きな災害をもたらした台風の名前は変更されることがある
アジア名は基本的に繰り返し使用されますが、すべての名前が永久に使われ続けるとは限りません。
大きな災害をもたらした台風などについては、台風委員会の加盟国・地域からの要請を受け、その名前を今後使用しないよう変更することがあります。
その場合は新しい名前に置き換えられるため、アジア名のリストは固定されたものではなく、変更されることがあります。
リストにない名前の台風が存在することもある
すべての台風に140個のアジア名のいずれかが付くとは限りません。
発達した熱帯低気圧が東経180度より東など、気象庁が担当する北西太平洋の領域外から入ってきた場合には、それまで担当していた気象機関が付けた名前を引き継ぐことがあります。
そのため、アジア名のリストには掲載されていない名前を持つ台風が北西太平洋に存在するケースもあります。
「台風第○号」と「アジア名」の違い
台風番号とアジア名の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 台風番号 | アジア名 |
|---|---|---|
| 例 | 台風第10号 | Shanshan(サンサン) |
| 基本的な決まり方 | その年の台風の発生順 | 140個のリストの順番 |
| 年が変わった場合 | 第1号から再スタート | 前年からの順番を引き継ぐ |
| 主な役割 | 日本国内で台風を識別する | 国際的に台風を識別する |
| 同じものを再利用するか | 毎年同じ番号が登場する | 原則としてリストを循環して再利用する |
| 変更されることがあるか | 発生順によって決まる | 大きな災害をもたらした台風などでは名称が変更される場合がある |
「台風○号」の4桁表記とは?
台風について調べていると、「T2410」や「2410」といった4桁の数字を見ることがあります。
この表記では、上2桁が西暦年の下2桁、下2桁がその年に発生した台風の順番を表します。
たとえば「2410」であれば、「2024年の台風第10号」という意味です。
単純な「台風第10号」だけでは発生した年が分かりませんが、4桁表記にすることで特定の台風を識別しやすくなります。
台風とはそもそも何?
気象庁では、北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット)以上になったものを「台風」としています。
つまり、熱帯低気圧が発生しただけで「台風第○号」という番号が付くわけではありません。
気象庁が台風と認めた段階で、その年の発生順に応じた台風番号が付けられます。
まとめ
台風には、日本でよく使われる「台風第○号」という番号と、国際的に使われる「アジア名」があります。
台風番号は毎年1月1日以降に発生した順番で付けられ、年が変わると第1号から再スタートします。
一方、アジア名は台風委員会の加盟国・地域などが提案した140個の名前を基本的に順番に使用する仕組みで、年が変わってもリセットされません。
また、日本も星座に由来する名前を提案しています。
「台風第○号」はその年に何番目に発生したかを示す番号、「サンサン」「コイヌ」などのアジア名は国際的に台風を識別するための名前、と理解すると違いが分かりやすいでしょう。


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