芸能ニュースや映画の公式発表で、「人気ドラマがクランクインした」といった見出しを見かけることがあります。
この「クランクイン」という言葉、なんとなく撮影に関係していそうとは分かっても、正確な意味や使われるタイミングまでは説明しにくいという人も多いのではないでしょうか。
一言でいえば、クランクインとは映像作品の撮影が正式に始まることを指す業界用語です。
この記事では、クランクインの意味や語源、よく似た言葉であるクランクアップとの違いについてわかりやすく解説します。
クランクインとは
クランクインとは、映画やテレビドラマ、CMなどの映像作品において、撮影が正式にスタートすることを指す言葉です。
企画や脚本づくり、キャスティングといった準備段階を終え、実際にカメラが回り始める瞬間を表します。
もともとは映像制作の現場で使われる専門用語でしたが、現在では芸能ニュースや映画情報サイトなどでも日常的に使われる言葉になっています。
クランクインの語源・由来
クランクインという言葉は、英語の「crank(クランク)」が語源とされています。
映画が生まれた初期の時代、フィルムカメラには手動で回すハンドルが付いており、このハンドル部分がクランクと呼ばれていました。
撮影を開始する際に、このクランクを回してフィルムを送り始めることから、撮影開始を「クランクイン(クランクを入れる・回し始める)」と表現するようになったといわれています。
現在のカメラはほとんどが電子制御式で、物理的なクランクを回す作業は存在しません。それでも撮影開始を表す言葉として、名残のような形でそのまま使われ続けています。
映像制作の流れとクランクインの位置づけ
一本の映像作品が完成するまでには、いくつもの工程を経る必要があります。クランクインは、その中でも大きな節目のひとつです。
- 企画立案・脚本づくり
- キャスティング・スタッフの編成
- プリプロダクション(衣装・美術・ロケ地の手配など)
- クランクイン(本番の撮影開始)
- クランクアップ(撮影終了)
- ポストプロダクション(編集・音楽・CG作業など)
このようにクランクインは、準備段階をすべて終えて本番の撮影に入る、制作工程上の大きな区切りにあたります。
クランクインとクランクアップの違い
クランクインと対になる言葉として、よく使われるのが「クランクアップ」です。
クランクアップは、予定していたすべての撮影が終わることを指します。両者は撮影期間の始まりと終わりを表す言葉として、セットで使われることが多いです。
| 項目 | クランクイン | クランクアップ |
|---|---|---|
| 意味 | 撮影の開始 | 撮影の終了 |
| タイミング | 準備を終えて本番カメラが回り始める瞬間 | 予定していた全シーンの撮影を終えた瞬間 |
| 現場で行われること | 顔合わせや挨拶、安全祈願などが行われることがある | 打ち上げや記念撮影が行われることがある |
なお、クランクインとクランクアップはどちらも業界用語であり、必ずしもすべての現場で行事が行われるわけではありません。
クランクインからクランクアップまでの期間
撮影がどのくらいの期間続くかは、作品の規模や内容によって大きく異なります。
数日から数週間で撮影を終える作品もあれば、長期シリーズのドラマや大作映画のように、数ヶ月単位で撮影が続く作品もあります。
そのため「クランクインからクランクアップまで何日かかるか」は一概にはいえず、作品ごとに大きく幅があると考えておくとよいでしょう。
クランクイン当日に行われること
クランクイン当日は、撮影が本格的に始まる節目として、さまざまな行事が行われることがあります。
- 出演者・スタッフが初めて顔を合わせる「顔合わせ」
- 撮影の安全を祈願する「安全祈願」
- 監督や主演俳優によるあいさつ
- 報道陣向けの取材対応や記念撮影
こうした行事の有無や内容は、作品や制作会社によって異なり、すべての現場で統一されたルールがあるわけではありません。
クランクインがニュースで話題になる理由
芸能ニュースや映画情報サイトでは、「◯◯がクランクイン」という見出しを頻繁に見かけます。
クランクインは、企画発表やキャスト発表とは違い、作品の制作が実際に動き出したことを示す分かりやすい節目です。
主演俳優や監督のコメントとともに報じられることが多く、作品のファンにとっては続報として注目しやすく、制作側にとっても宣伝や話題づくりの機会になっています。
クランクインを使った例文
- 「人気漫画を原作とした映画が、来月クランクインする予定だ。」
- 「主演俳優は、クランクインを前に役づくりへの意気込みを語った。」
- 「長期ロケを控えた大作が、ついにクランクインした。」
- 「撮影延期が続いていたドラマが、ようやくクランクインを迎えた。」
- 「クランクインの会見で、監督が作品への思いを語った。」
クランクインに関するよくある誤解
クランクインは「撮影が決まったこと」ではなく、「撮影が実際に始まったこと」を指す言葉です。
企画発表やキャスト発表の段階は、まだ準備段階であり、クランクインしたとはいいません。
また、クランクインしたからといって、その後の撮影がすべて予定どおりに進むとは限りません。天候やスケジュールの都合で、撮影内容が変更になることもあります。
クランクインと似た業界用語
映像制作の現場では、クランクイン・クランクアップ以外にも、さまざまな業界用語が使われています。
- オールアップ:すべてのシーンの撮影が終了すること。クランクアップと近い意味で使われることもあります
- 初日:撮影初日を指す、より一般的な言い方
- 千秋楽:舞台公演の最終日を指す言葉で、映像作品のクランクアップとは使われる分野が異なります
これらの言葉は似た場面で使われることがありますが、業界や媒体によって使い分けが異なる場合がある点には注意が必要です。
まとめ
クランクインとは、映画やドラマなどの映像作品で、撮影が正式に始まることを指す業界用語です。
語源は、映画草創期のフィルムカメラに付いていたハンドル「クランク」を回して撮影を始めていたことに由来するとされています。
対になる言葉であるクランクアップは撮影終了を意味し、両者はセットで使われることの多い表現です。
ニュースなどで「クランクイン」という言葉を見かけたときは、作品の撮影がいよいよ本格的に始まった、という意味だと理解しておくとよいでしょう。


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