肩こりや腰痛について調べていると、「トリガーポイント」という言葉を見かけることがあります。整体やマッサージ、スポーツトレーナーの説明の中でも使われる言葉です。
押した場所とは違う場所に痛みが広がるのはなぜなのか、こりとは何が違うのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
一言でいうと、トリガーポイントとは、筋肉の中にできる硬い部分で、押すと離れた場所に痛みを伝える特徴を持つ点のことです。
この記事では、トリガーポイントの意味や原因・仕組み、関連痛・こり・筋膜リリースとの違いについてわかりやすく解説します。
トリガーポイントとは
肩や腰を押すと、押した場所とは違う場所に痛みを感じることがあります。
このとき、痛みの引き金になっている筋肉内の硬い部分を「トリガーポイント」と呼びます。
日本語では「引き金点」と訳されることもあり、押すと離れた場所に痛みやしびれが広がる特徴があります。
単なる筋肉のこりとは区別され、筋肉の痛みを考えるうえで中心となる概念のひとつです。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
トリガーポイントの由来・名前の意味
トリガーとは英語で「引き金」を意味する言葉です。
銃の引き金を引くと弾が発射されるように、この部位を刺激すると離れた場所に痛みが引き起こされることから、この名前が付けられたとされています。
この考え方は、筋肉の痛みを扱う医療やリハビリテーションの現場で発展してきました。
現在では整体や鍼灸、スポーツ医学など、幅広い現場で使われる言葉になっています。
トリガーポイントができる仕組み
筋肉は通常、収縮と弛緩を繰り返しながら動いています。
長時間同じ姿勢を続けたり、筋肉に負担がかかり続けたりすると、一部の筋繊維が緊張したまま戻らなくなることがあります。
この状態が続くと、その部分の血流が悪くなり、老廃物がたまりやすくなります。
血流不足と老廃物の蓄積が重なることで、筋肉の中に硬いしこりのような部分ができていくと考えられています。
この硬くなった部分が、押すと周囲や離れた場所に痛みを伝えるトリガーポイントになっていきます。
トリガーポイントができやすい原因
トリガーポイントができる背景には、いくつかの要因が重なっていると考えられています。
- 長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用による同じ姿勢の継続
- 運動不足や筋力の低下
- 冷えによる血流の悪化
- 精神的なストレスや緊張
- スポーツや作業での筋肉への過度な負荷
これらの要因は単独ではなく、複数が重なって筋肉に負担をかけていることが多いといわれています。
トリガーポイントの種類
トリガーポイントは、症状の出方によって大きく2つに分けられると説明されることがあります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 活性型トリガーポイント | 安静にしていても痛みや関連痛が現れる状態 |
| 潜在型トリガーポイント | 押したときだけ痛みが現れ、普段は自覚しにくい状態 |
潜在型は本人が気づかないまま存在していることも多く、肩こりや腰の張りの隠れた原因になっている場合があります。
トリガーポイントができやすい場所
トリガーポイントは全身のどの筋肉にも生じる可能性がありますが、特にできやすいとされる場所があります。
- 肩甲骨の周りの筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋など)
- 首の後ろから後頭部にかけての筋肉
- 腰からお尻にかけての筋肉
- ふくらはぎや太ももの筋肉
これらの場所は、姿勢を支える役割が大きく、負担が集中しやすい部位でもあります。
トリガーポイントと関連痛の違い
トリガーポイントと関連痛は、原因と結果のような関係にある言葉です。
トリガーポイントは、痛みを引き起こすもとになる筋肉内の部位そのものを指します。
一方、関連痛は、トリガーポイントが刺激されたときに離れた場所に生じる痛みそのものを指す言葉です。
たとえば肩甲骨周辺のトリガーポイントを押すと、頭や腕に痛みが広がることがありますが、この頭や腕の痛みが関連痛です。
つまり、トリガーポイントは「原因となる場所」、関連痛は「その結果として現れる症状」という関係になります。
トリガーポイントとこりの違い
「こり」は、筋肉が緊張して硬くなった状態を広く指す言葉です。
肩こりや背中のこりのように、日常会話でもよく使われます。
トリガーポイントは、こりの中でもさらに限定された、押すと離れた場所に痛みを伝える特定の点を指します。
すべてのこりにトリガーポイントが含まれているわけではなく、こりの一部にトリガーポイントが形成されていると考えると分かりやすいです。
言い換えると、こりは広い範囲の筋肉の状態を表す言葉で、トリガーポイントはその中にある特定のポイントを指す言葉です。
トリガーポイントと筋膜リリースの違い
筋膜リリースは、筋肉を覆う筋膜の硬さや滑りの悪さを和らげるための施術方法です。
トリガーポイントが指すのは「痛みの原因となる部位」であるのに対し、筋膜リリースは「その部位に働きかける手法」にあたります。
実際には、筋膜リリースの対象としてトリガーポイントが選ばれることも多く、両者は密接に関わっています。
ただし筋膜リリースは筋膜全体へのアプローチを含む言葉であり、トリガーポイントだけに限定された手法ではありません。
トリガーポイントの見つけ方
トリガーポイントは、筋肉を指で押していくと、周囲より硬く感じる場所として見つかることがあります。
押したときにズーンと響くような痛みや、離れた場所に痛みが広がる感覚があれば、トリガーポイントの可能性があります。
ただし自己判断だけで原因を特定するのは難しく、症状が長引く場合は医療機関や専門家に相談することが望ましいです。
トリガーポイントへの対処法
トリガーポイントへの対処法としては、指で押さえて圧をかける方法や、ストレッチで筋肉を伸ばす方法が知られています。
フォームローラーやマッサージボールを使って、筋肉を圧迫する方法を取り入れている人もいます。
医療機関では、鍼治療や、局所麻酔薬を注射するトリガーポイント注射といった方法が用いられることもあります。
痛みの原因は人によって異なり、自己流のケアを続けることでかえって負担が増えてしまう場合もあります。
痛みが強い場合や長期間続く場合は、整形外科など専門の医療機関に相談することをおすすめします。
トリガーポイントを使った例文
- 最近肩が重いのは、肩甲骨あたりのトリガーポイントが原因かもしれません。
- 整体で腰のトリガーポイントを押してもらったら、足のしびれが軽くなった気がします。
- スポーツトレーナーに、ふくらはぎのトリガーポイントをチェックしてもらった。
- 頭痛が続くので、首のトリガーポイントを一度調べてもらうことにした。
トリガーポイントに関するよくある誤解
トリガーポイントは「痛い場所がそのまま原因の場所」と思われがちですが、実際には原因の場所と痛みを感じる場所が離れていることが多いです。
また、トリガーポイントを押せば痛みがすぐに解消するというものではなく、生活習慣や姿勢の見直しも含めて取り組むことが大切だと考えられています。
強く押すほど効果が高いと思われがちですが、強すぎる刺激はかえって筋肉を傷めることもあるため注意が必要です。
まとめ
トリガーポイントとは、筋肉の中にできる硬い部分で、押すと離れた場所に痛みを伝える特徴を持つ点のことです。
関連痛はトリガーポイントによって引き起こされる症状、こりはより広い範囲の筋肉の緊張状態、筋膜リリースはトリガーポイントなどに働きかける施術方法と、それぞれ意味が異なります。
肩や腰の痛みが続くときは、トリガーポイントが関わっている可能性もありますが、自己判断で済ませず、症状が長引く場合は医療機関や専門家に相談することが大切です。

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