オリンピックや世界陸上選手権の中継を見ていると、「十種競技」という競技名を耳にすることがあります。短距離走やハードル、跳躍、投てきなど、複数の種目を2日間続けて行う独特な競技です。
一つの選手が走って、跳んで、投げて、また走る姿を見て、「これは一体どんな仕組みの競技なのか」「なぜ複数の種目をまとめて行うのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
一言でいえば、十種競技とは、陸上競技の中で10種類の異なる種目を2日間かけて行い、各種目の得点を合計して順位を競う男子の複合競技です。
この記事では、十種競技の意味や種目の構成、得点の仕組み、七種競技・五種競技との違いについてわかりやすく解説します。
十種競技とは
十種競技は、陸上競技における男子の複合競技の一つです。
100m・走幅跳・砲丸投・走高跳・400mなど、走・跳・投にまたがる10種目を2日間かけて実施します。
各種目の記録をそれぞれ点数に換算し、その合計点の高さによって順位を競う方式が採用されています。
オリンピックや世界陸上選手権でも実施されており、陸上競技の中でも特に総合的な能力が問われる種目として知られています。
十種競技の呼び方・由来
十種競技は、英語では「デカスロン」と呼ばれています。
「デカ」は10を意味する言葉、「スロン」は競技や勝負を意味する言葉に由来するとされ、10種目をこなす競技であることからこの名称が使われるようになったと考えられています。
十種競技の優勝者には「キング・オブ・アスリート」という呼び名が贈られ、陸上競技の中でも特別な位置づけを与えられています。
選手自身は「デカスリート」と呼ばれ、単に足が速い、遠くに投げられるというだけでなく、幅広い運動能力を兼ね備えた選手として評価される傾向があります。
十種競技の10種目と実施順
十種競技は2日間に分けて、合計10種目を行う構成になっています。
1日目の種目
- 100m
- 走幅跳
- 砲丸投
- 走高跳
- 400m
2日目の種目
- 110mハードル
- 円盤投
- 棒高跳
- やり投
- 1500m
1日目は短距離走やジャンプ系、投てき系の種目が中心で、比較的短い時間で進行していきます。
2日目はハードルや棒高跳、やり投に加え、最後に1500mという持久力を試す種目が組まれています。
このように、走る・跳ぶ・投げるという3つの要素をバランスよく含む構成になっている点が、十種競技の大きな特徴です。
十種競技の得点の仕組み
十種競技では、各種目の記録をそのまま比べるのではなく、点数に換算して合計する方式がとられています。
使われる得点表は国際的な陸上競技の統括団体が定めたもので、種目ごとに記録と得点の対応関係があらかじめ決められています。
例えば100mで速い記録を出せば高い得点、走高跳で高く跳べば高い得点が与えられる、という考え方です。
10種目すべての得点を合計した数値が最終的な成績となり、合計点が最も高い選手が優勝します。
そのため、一部の種目で突出した記録を出すだけでは優勝できず、10種目全体で安定した成績を収めることが重要になります。
十種競技の見どころ・魅力
十種競技の魅力の一つは、2日間にわたる長丁場の中で順位が大きく変動していくことです。
1日目の終了時点でトップに立っていた選手が、2日目の種目で順位を落とすことも珍しくありません。
特に最終種目の1500mは、それまでの得点差によって走り方や戦略が大きく変わる見どころの一つとされています。
得点差が小さい場合には、1500mのタイム次第で優勝が決まることもあり、最後まで目が離せない展開になりやすい競技です。
十種競技に求められる能力
十種競技では、短距離走のスピード、ジャンプ系種目の跳躍力、投てき系種目のパワー、1500mで必要となる持久力まで、非常に幅広い能力が求められます。
一つの種目に特化したトレーニングだけでは対応できず、走・跳・投それぞれの技術練習を並行して積み重ねる必要があります。
また、2日間にわたって集中力と体力を維持し続けることも、十種競技で高い成績を収めるための重要な要素です。
こうした背景から、十種競技の選手は陸上競技の中でも特に総合的な運動能力を持つ選手として評価される傾向があります。
十種競技と七種競技の違い
七種競技は、十種競技の女子版として位置づけられている複合競技です。
種目数が7つと少なく、2日間かけて行う点は共通していますが、種目の構成は十種競技とは異なります。
七種競技には100mハードル、走高跳、砲丸投、200m、走幅跳、やり投、800mが含まれます。
| 項目 | 十種競技 | 七種競技 |
|---|---|---|
| 対象性別 | 男子 | 女子 |
| 種目数 | 10種目 | 7種目 |
| 実施日数 | 2日間 | 2日間 |
| 最終種目 | 1500m | 800m |
十種競技が男子の競技であるのに対し、七種競技は女子の競技として実施されている点が、両者の最も大きな違いです。
十種競技と五種競技の違い
五種競技は、十種競技や七種競技よりもさらに種目数が少ない複合競技です。
室内競技会などで採用されることが多く、十種競技とは開催される大会の形式自体が異なる場合があります。
種目数が少ない分、1日で全種目を終えられる構成になっていることが多く、十種競技のような2日間にわたる長丁場とは進行の仕方が異なります。
また、種目の組み合わせも大会によって異なることがあるため、十種競技ほど種目構成が固定されていない点も特徴の一つです。
十種競技でよくある誤解
十種競技は、単純に10種目の記録を足し算して順位を決める競技だと誤解されることがあります。
実際には、記録をそのまま合計するのではなく、あらかじめ決められた得点表に基づいて点数化した上で合計する方式が採用されています。
また、十種競技は男子の競技として実施されており、女子選手が同じ形式で記録を争う場面は一般的ではありません。
女子の総合競技を指す場合は、十種競技とは種目数も異なる七種競技という名称が使われる点も、混同しやすいポイントです。
まとめ
十種競技は、陸上競技の中でも走・跳・投の能力を総合的に競う男子の複合競技です。
2日間にわたって10種目を行い、各種目の記録を得点に換算した合計点によって順位が決まる仕組みになっています。
女子には七種競技という対応する競技があり、種目数や性別の点で十種競技とは異なる特徴を持っています。
五種競技のように種目数が少ない複合競技もあるため、開催形式や種目構成の違いを知っておくと、陸上競技の観戦がより楽しめるようになるでしょう。


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