デジタルオフセット印刷とは?仕組みやメリット、オフセット印刷との違いを解説

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デジタルオフセット印刷とは、デジタル印刷の効率性と、オフセット印刷に近い高品質な印刷を両立する印刷方式として使われる呼称です。

一般的なオフセット印刷では印刷用の版を作成する必要がありますが、デジタルオフセット印刷では基本的に従来型の版を必要としません。そのため、少部数の印刷や短納期の案件に適しており、内容を1枚ずつ変更する可変印刷にも対応できます。

ただし、「デジタルオフセット印刷」という言葉は、すべての印刷会社や印刷機メーカーで完全に統一された印刷方式の名称ではありません。高品質なデジタル印刷全般を指したり、中間転写体を利用する特定のデジタル印刷方式を指したりする場合があります。

デジタルオフセット印刷の仕組み

デジタル印刷の大きな特徴は、パソコンなどで作成したデジタルデータを利用して印刷することです。

従来のオフセット印刷では、印刷データから版を作り、版からブランケットと呼ばれる中間転写体へインキを移し、さらにブランケットから紙へ転写します。

一方、デジタル印刷では従来型の印刷版を作る工程を省略できます。

デジタルオフセット印刷と呼ばれる方式のなかには、デジタルデータから形成した画像をいったんブランケットなどの中間転写体へ移し、その後、紙などへ転写するものがあります。

デジタルデータを利用しながら中間転写方式を採用することで、高品質な印刷を実現できるのが特徴です。

一般的なオフセット印刷との違い

デジタルオフセット印刷と一般的なオフセット印刷の大きな違いは、従来型の印刷版を必要とするかどうかです。

一般的なオフセット印刷では版を作成するため、印刷を開始する前に製版工程が必要になります。その一方、一度版を作れば同じ内容を大量に印刷できるため、大部数の印刷に適しています。

デジタルオフセット印刷では従来型の版を作る必要がないため、印刷開始までの工程を短縮できます。

そのため、数十部から数百部といった比較的少ない部数や、短期間で完成させる必要がある印刷物に適しています。

ただし、実際のコストや適切な印刷部数は、印刷機、用紙、サイズ、色数、加工方法などによって異なります。

オンデマンド印刷との関係

デジタルオフセット印刷を理解するうえで混同しやすいのが「オンデマンド印刷」です。

オンデマンド印刷は、必要なものを必要なときに必要な部数だけ印刷する考え方やサービス形態を指す言葉として使われます。

そのため、デジタルオフセット印刷とオンデマンド印刷は必ずしも対立する概念ではありません。

デジタル印刷機を利用して少部数を必要な分だけ印刷するサービスが、オンデマンド印刷として提供されることがあります。

デジタルオフセット印刷のメリット

少部数の印刷に適している

従来型の版を作成する必要がないため、少部数でも印刷しやすいことが大きなメリットです。

一般的なオフセット印刷では、印刷枚数が少なくても製版などの準備工程が必要です。そのため、少部数では1部あたりのコストが高くなる場合があります。

デジタル方式では製版工程を省略できるため、小ロット印刷との相性に優れています。

短納期に対応しやすい

製版工程を省略できるため、データ入稿から印刷開始までの時間を短縮しやすいことも特徴です。

急ぎの名刺やパンフレット、イベント用資料など、納期が短い印刷物にも利用されています。

ただし、断裁、製本、折り、表面加工などが必要な場合は、印刷後の加工にも時間が必要です。

バリアブル印刷ができる

デジタル印刷では、印刷するたびにデータを変更できます。

この特徴を利用したものが「バリアブル印刷(可変印刷)」です。

たとえば、DMの宛名を一人ずつ変更したり、会員番号やQRコード、管理番号などを1枚ごとに変えたりできます。

同じ内容を大量に複製する従来型のオフセット印刷では難しい、デジタル印刷ならではの活用方法です。

在庫を減らしやすい

必要な数量だけ印刷しやすいため、大量の印刷物を在庫として保管する必要性を抑えられます。

たとえば、内容が頻繁に改訂される商品カタログやマニュアルの場合、大量に印刷すると、情報が変更された時点で古い印刷物が使用できなくなる可能性があります。

必要な数量を小ロットで印刷すれば、こうした廃棄リスクを軽減できます。

デジタルオフセット印刷のデメリット

大部数ではオフセット印刷が有利になる場合がある

デジタル印刷は少部数に適していますが、印刷部数が非常に多くなると、一般的なオフセット印刷のほうがコスト面で有利になる場合があります。

オフセット印刷には製版などの初期工程が必要ですが、大量印刷ではその初期コストを多くの印刷物に分散できます。

どちらが安くなるかを決める一律の部数はなく、仕様や印刷会社によって異なります。

使用できる用紙などに制約がある場合がある

デジタル印刷機は機種によって、対応できる用紙サイズ、紙厚、素材などが異なります。

特殊紙や特殊なサイズを使用したい場合には、希望する印刷機で対応できるか事前に確認する必要があります。

色の再現性を事前に確認する必要がある

デジタル印刷とオフセット印刷では、印刷方式や使用するインキ・トナーなどが異なるため、同じデータでも仕上がりの色が完全に一致するとは限りません。

企業ロゴやブランドカラーなど、厳密な色管理が必要な印刷物では、使用する印刷機の特性や色校正の方法を印刷会社に確認することが重要です。

デジタルオフセット印刷に向いている印刷物

デジタルオフセット印刷は、少部数、高品質、短納期といった条件を求める印刷物に適しています。

代表的な用途には、名刺、ショップカード、パンフレット、カタログ、チラシ、ダイレクトメール、写真集、小冊子、社内資料、イベント資料などがあります。

また、1枚ごとに内容を変更できるため、顧客ごとに内容を変えたDMや、個別の番号を付けたチケットなどにも利用できます。

デジタルオフセット印刷とオフセット印刷はどう選ぶ?

印刷方式を選ぶときは、単純に印刷品質だけを比較するのではなく、部数、納期、用紙、加工、可変情報の有無、予算などを総合的に検討する必要があります。

少部数で短納期を重視する場合や、1枚ごとに異なる情報を印刷したい場合には、デジタル印刷が適しています。

一方、同じ内容を大量に印刷する場合には、一般的なオフセット印刷が適しているケースがあります。

印刷部数だけで判断せず、実際の仕様を印刷会社へ伝え、複数の印刷方式で見積もりを比較するとよいでしょう。

「デジタルオフセット」という名称には注意が必要

デジタルオフセット印刷について特に注意したいのが、その名称です。

「オフセット印刷」は本来、版からブランケットなどへインキを転写し、そこから紙へ印刷する間接印刷方式を指します。

一方、「デジタルオフセット印刷」は、業界全体で一つの方式だけを示す厳密な統一名称として使われているわけではありません。

印刷会社によっては特定のデジタル印刷機による方式を指したり、高品質なデジタル印刷を分かりやすく説明する名称として使用したりすることがあります。

そのため、印刷を依頼するときは「デジタルオフセット」という名称だけで判断せず、使用する印刷機、印刷方式、対応用紙、色再現、仕上がりなどを確認することが重要です。

まとめ

デジタルオフセット印刷とは、デジタルデータを活用し、従来型の版を作らずに高品質な印刷を行う方式として使われる名称です。

製版工程を省略できるため、少部数や短納期の印刷に適しており、1枚ごとに文字や画像を変更するバリアブル印刷にも対応できます。

一方、大量印刷では一般的なオフセット印刷のほうがコスト面で有利になる場合があり、用紙や色再現などについても印刷機ごとの違いがあります。

また、「デジタルオフセット印刷」という名称が指す具体的な方式は、印刷会社や印刷機によって異なる場合があります。

印刷を依頼するときは、デジタルオフセット、デジタル印刷、オフセット印刷という名称だけで選ぶのではなく、印刷部数、品質、納期、用紙、加工、予算などを踏まえて最適な方式を選ぶことが大切です。

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