英語には、綴りや意味、場合によっては発音まで異なるにもかかわらず、日本語のカタカナで表記すると同じ、あるいは非常によく似た表記になる単語があります。
代表的なのが「デザート」です。
「食後のデザート」を意味する dessert と、「砂漠」を意味する desert は別の英単語です。しかし、日本語ではどちらも「デザート」と表記されることがあります。
ほかにも「ライト」「ロック」「グラス」など、カタカナだけを見ると区別しにくい英単語は少なくありません。
この記事では、カタカナにすると同じ・似た表記になるものの、英語では意味が異なる単語を紹介します。
- 「デザート」は英語では別の単語
- ライト:light・right・write
- ロック:rock・lock
- グラス:glass・grass
- フライ:fly・fry
- ライス:rice・lice
- クラウド:cloud・crowd
- ロード:road・load・lord
- ラック:rack・lack
- レート:rate・late
- リンク:link・rink
- リード:lead・read・reed
- バス:bus・bath・bass
- ホール:hall・hole・whole
- コート:coat・court
- ボール:ball・bowl
- カラー:color・collar
- パール:pearl・purl
- シー:sea・see
- サン:sun・son
- ミート:meat・meet
- ピース:peace・piece
- ウェイト:wait・weight
- ウィーク:week・weak
- セール:sale・sail
- ペア:pair・pear・pare
- プレーン:plane・plain
- ブレイク:break・brake
- フラワー:flower・flour
- ナイト:night・knight
- テイル:tail・tale
- メール:mail・male
- なぜカタカナにすると同じになるのか
- カタカナ英語は元のスペルを確認すると意味が分かりやすい
「デザート」は英語では別の単語
まず、代表例である「デザート」を見てみましょう。
dessert:食後のデザート
dessert は、食事の最後に食べる菓子や果物などを意味します。
日本語で一般的に使われる「デザート」は、こちらの単語に由来します。
発音では後半の音節にアクセントがあります。
desert:砂漠
desert は、名詞では「砂漠」「荒れ地」などを意味します。
dessertとはスペルも発音も異なりますが、日本語では「デザート」と表記されることがあります。「砂漠」を指す場合は「デザート」よりも「デザート(desert)」など英語を併記しないと意味が伝わりにくいでしょう。
なお、desert には動詞として「見捨てる」「放棄する」「脱走する」という意味もあり、この場合は名詞のdesertとはアクセント位置が異なります。
ライト:light・right・write
「ライト」は、複数の英単語に対応する代表的なカタカナ語です。
light
light には「光」「明かり」「軽い」などの意味があります。
「ライトをつける」のライトはこちらです。
right
right には「右」「正しい」「権利」などの意味があります。
lightとは英語では最初の子音が異なりますが、日本語ではどちらも「ライト」と表現されます。
write
write は「書く」という意味です。
rightとwriteは英語では同音語です。そのため、こちらはカタカナにしたことで区別がなくなったのではなく、もともと発音が同じ単語の例です。
ロック:rock・lock
rock
rock は「岩」を意味します。また、音楽ジャンルの「ロック」もrockです。
lock
lock は「錠」「鍵をかける」「固定する」などを意味します。
rockとlockでは英語のRとLが異なりますが、日本語ではどちらも「ロック」と表記されます。
グラス:glass・grass
glass
glass は「ガラス」や「ガラス製のコップ」などを意味します。
grass
grass は「草」「芝」を意味します。
「グラスに水を入れる」と「グラスの上を歩く」では、英語にするとまったく違う単語になる可能性があります。
フライ:fly・fry
fly
fly は「飛ぶ」という動詞です。また、名詞では「ハエ」を意味します。
fry
fry は「油で揚げる」「炒める」といった意味の動詞です。
日本語の「フライ料理」のフライはこちらに関係します。
ライス:rice・lice
rice
rice は「米」「ご飯」を意味します。
lice
lice は「シラミ」を意味する louse の複数形です。
英語ではRとLによって明確に区別されますが、日本語のカタカナではどちらも「ライス」と表記できます。
クラウド:cloud・crowd
cloud
cloud は「雲」を意味します。
ITで使われる「クラウドコンピューティング」のクラウドもcloudです。
crowd
crowd は「群衆」「人混み」などを意味します。
日本語ではどちらも「クラウド」に近い表記になりますが、英語ではLとRの違いがあります。
ロード:road・load・lord
「ロード」も意味が大きく変わる言葉です。
road
road は「道路」「道」を意味します。
「ロードマップ(road map)」などにも使われます。
load
load は「荷物」「積載量」「負荷」などを意味します。
コンピューターでデータなどを読み込む「ロード」もloadです。
lord
lord は「主」「君主」「領主」などを意味します。
日本語では「ロード」と表記されることがありますが、roadやloadとは異なる単語です。
ラック:rack・lack
rack
rack は「棚」「台」「ラック」などを意味します。
lack
lack は「不足」「欠如」、または「不足している」という意味です。
日本語ではどちらも「ラック」と表記できます。
レート:rate・late
rate
rate は「率」「割合」「料金」「評価」などを意味します。
「為替レート」「金利レート」などのレートはこちらです。
late
late は「遅い」「遅れた」「遅く」といった意味です。
RとLの違いがカタカナでは消えてしまう例です。
リンク:link・rink
link
link は「つながり」「関連」「接続する」などを意味します。
Webサイトの「リンク」もlinkです。
rink
rink は、スケートやアイスホッケーなどを行う「リンク」を意味します。
日本語でも「スケートリンク」と呼ばれるため、両方とも「リンク」というカタカナ語として実際に使われています。
リード:lead・read・reed
「リード」は特に複雑です。
lead
lead は動詞では「導く」「先導する」などを意味し、この場合は「リード」に近い発音です。
一方、同じスペルの lead が「鉛」という意味になると、発音は「レッド」に近くなります。
read
read は「読む」という意味です。
現在形では「リード」に近い発音ですが、過去形・過去分詞では「レッド」に近い発音になります。スペルが同じなのに時制によって発音が変化する珍しい単語です。
reed
reed は「葦(アシ)」を意味します。また、クラリネットやサクソフォンなどで音を発生させる「リード」もreedです。
バス:bus・bath・bass
「バス」は日本語では非常に紛らわしいカタカナ語です。
bus
bus は乗り物の「バス」です。
bath
bath は「入浴」「浴槽」などを意味します。
日本語の「バスルーム」のバスはこちらです。
bass
bass は「低音」「低音部」などを意味し、日本語では「バス」または「ベース」と表記されます。
さらに魚の「バス」もbassですが、英語では低音を意味するbassとは発音が異なります。
同じスペルなのに意味によって発音が異なる興味深い例です。
ホール:hall・hole・whole
hall
hall は「広間」「ホール」「会館」などを意味します。
hole
hole は「穴」です。
whole
whole は「全体の」「全部の」という意味です。
holeとwholeは英語でも同音ですが、hallは異なる発音です。それでも日本語ではすべて「ホール」と表記される場合があります。
コート:coat・court
coat
coat は衣服の「コート」です。
court
court は「裁判所」「法廷」「中庭」などを意味します。
テニスやバスケットボールなどの「コート」もcourtです。
日本語では衣服も競技場も「コート」ですが、英語ではまったく異なる単語です。
ボール:ball・bowl
ball
ball は「球」「ボール」を意味します。
bowl
bowl は「鉢」「椀」「ボウル」などを意味します。
日本語では通常bowlを「ボウル」と書いて区別しますが、発音をカタカナで単純化すると近くなります。
カラー:color・collar
color
color は「色」です。
collar
collar は衣服の「襟」や動物につける「首輪」などを意味します。
日本語ではcolorを「カラー」、collarを「カラー」または「カラ―」と表記するため、文脈による区別が必要になる場合があります。
パール:pearl・purl
pearl
pearl は「真珠」です。
purl
purl は編み物における「裏編み」などを意味します。
どちらも日本語では「パール」と表現できる単語です。
シー:sea・see
sea
sea は「海」です。
see
see は「見る」「見える」などを意味します。
この2語は英語でも同じ発音です。
サン:sun・son
sun
sun は「太陽」です。
son
son は「息子」です。
sunとsonも英語で同音になる単語です。
ミート:meat・meet
meat
meat は「肉」です。
meet
meet は「会う」という意味です。
この2語も英語では同じ発音です。
ピース:peace・piece
peace
peace は「平和」です。
piece
piece は「一片」「一個」「部分」などを意味します。
どちらも英語では同音です。
ウェイト:wait・weight
wait
wait は「待つ」です。
weight
weight は「重さ」「重量」を意味します。
日本語ではどちらも「ウェイト」と表現され、英語でも基本的に同じ発音です。
ウィーク:week・weak
week
week は「週」です。
weak
weak は「弱い」という意味です。
スペルも意味も異なりますが、英語では同音です。
セール:sale・sail
sale
sale は「販売」「特売」などを意味します。
sail
sail は「帆」、または「航海する」という意味です。
両者は英語でも同音です。
ペア:pair・pear・pare
「ペア」には3つの代表的な同音語があります。
pair
pair は「一組」「一対」です。
pear
pear は「洋梨」です。
pare
pare は「皮をむく」「削り落とす」という意味の動詞です。
3語とも英語では同音です。
プレーン:plane・plain
plane
plane は「飛行機」「平面」などを意味します。
plain
plain は「明白な」「簡素な」「飾り気のない」などを意味し、名詞では「平原」という意味もあります。
「プレーンヨーグルト」のplainはこちらです。
ブレイク:break・brake
break
break は「壊す」「壊れる」「休憩」などを意味します。
「コーヒーブレイク」のブレイクはこちらです。
brake
brake は乗り物などの「ブレーキ」や「制動する」という意味です。
英語では両者は同音です。
フラワー:flower・flour
flower
flower は「花」です。
flour
flour は「小麦粉」です。
スペルも意味もまったく違いますが、英語では基本的に同じ発音です。
ナイト:night・knight
night
night は「夜」です。
knight
knight は「騎士」です。
knightの「k」は発音しないため、英語でもnightと同じ発音になります。
テイル:tail・tale
tail
tail は動物などの「尾」「しっぽ」です。
tale
tale は「物語」「話」を意味します。
両者は英語でも同音です。
メール:mail・male
mail は「郵便」「メール」などを意味します。
male
male は「男性」「雄」などを意味します。
英語では同音です。ただし、日本語ではmaleを一般に「メール」ではなく「メイル」「メール」などと表記することがある一方、意味を明確にするため「男性」「雄」と訳すのが普通です。
なぜカタカナにすると同じになるのか
こうした現象には、大きく分けて2つの理由があります。
1つ目は、英語の時点ですでに発音が同じだからです。
nightとknight、seaとsee、flowerとflourなどが該当します。このような、発音が同じで意味の異なる語は英語で「homophone(同音異義語)」と呼ばれます。
2つ目は、英語では違う発音なのに、日本語のカタカナではその違いを十分に表現できないからです。
特に分かりやすいのがLとRです。
「rock」と「lock」、「rice」と「lice」、「glass」と「grass」などは、英語では異なる子音で発音されます。しかし、日本語ではどちらもラ行のカタカナで表すことが多いため、表記上の区別がなくなります。
カタカナ英語は元のスペルを確認すると意味が分かりやすい
普段何気なく使っているカタカナ語でも、英語に戻してみると複数の候補が存在することがあります。
「ライト」がlightなのかrightなのか、「ロック」がrockなのかlockなのか、「デザート」がdessertなのかdesertなのかは、カタカナだけでは判断できないことがあります。
一方、nightとknightのように英語でも同じ発音になる単語もあります。
カタカナ語を覚える際には、日本語の読み方だけでなく、元の英単語のスペル・発音・意味をセットで確認すると、こうした違いを理解しやすくなります。

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