バッテリーの仕様書やラベルに書かれている「Cレート」。
特にリチウムイオン電池やリポバッテリーを使うときに目にしますが、「結局どういう意味?」と思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Cレートの意味・計算方法・選び方の目安をわかりやすく解説します。
Cレートとは?
Cレートとは、バッテリーがどのくらいの速さで充放電できるかを示す指標です。
- 1C … バッテリーの容量を1時間で充放電できる電流
- 2C … 容量の2倍の電流で充放電(30分で完了)
- 0.5C … 容量の半分の電流で充放電(2時間で完了)
例:2000mAh(=2Ah)のバッテリーの場合
- 1C = 2A(1時間で充放電)
- 0.5C = 1A(2時間で充放電)
- 2C = 4A(30分で充放電)
Cレートと「最大放電能力」
Cレートは、容量 × Cレート = 最大放電電流 で計算できます。
- 2000mAh × 10C = 20A
- 2000mAh × 80C = 160A
つまり、Cレートが高いほど「一度に大きな電流を取り出せる」ことを意味します。
Cレートが低すぎるとどうなる?
もし消費電流に対してCレートが不足していると、次のような問題が起こります。
- 電圧降下でモーターや機器が力を発揮できない
- 過熱・膨張・最悪の場合は発火のリスク
- バッテリーの劣化が早まる
安全性のために、機器が必要とする電流を十分まかなえるCレートを選ぶことが大切です。
Cレートが高すぎるとどうなる?
逆に、必要以上に高いCレートを選んでも問題はありません。
ただし以下のようなデメリットもあります。
- 重量が増える
- 価格が高くなる
- サイズが大きくなる
特にドローンなど「軽さが重要」な用途では、必要以上に高Cレートのバッテリーは不利です。
用途別のCレート選びの目安
- ドローン・RCカーなど飛行体や移動体
→ 機器が必要とするピーク電流を確認し、その1.2〜1.5倍のCレートを目安に。 - ロボット・実験用モーター・固定用途
→ 重量を気にしなければ、高Cレートを選んでおくと安定して安全。 - LEDライト・小電力機器
→ 低Cレートでも十分。容量(mAh)の大きさの方が重視される。
容量と必要電流から求めるCレート早見表
バッテリー容量 | 必要電流 5A | 必要電流 10A | 必要電流 20A | 必要電流 40A |
---|---|---|---|---|
1000mAh (1Ah) | 5C | 10C | 20C | 40C |
2000mAh (2Ah) | 2.5C | 5C | 10C | 20C |
3000mAh (3Ah) | 1.7C | 3.3C | 6.7C | 13.3C |
5000mAh (5Ah) | 1C | 2C | 4C | 8C |
※表のCレートは「理論上の最低限」です。実際には 1.2〜1.5倍の余裕を持ったCレートを選ぶと安心です。
まとめ
- Cレートは「充放電の速さ」を表す指標で、容量 × Cレート = 最大電流。
- 必要電流より低いCレートでは性能不足や発熱の原因に。
- 高いCレートは安全で安定するが、重く高価になる。
- 用途に応じて必要十分+少し余裕のCレートを選ぶのがベスト。
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