生後数か月の赤ちゃんを育てていると、夕方になると決まって激しく泣き出す時期に出会うことがあります。
抱っこしても授乳してもおむつを替えても泣き止まず、原因が分からずに戸惑う親は少なくありません。
このような現象は「黄昏泣き」と呼ばれ、一時的に多くの赤ちゃんに見られる、成長の過程で起こる状態を指す言葉です。
この記事では、黄昏泣きの意味や起こる仕組み、コリックや夜泣きとの違いについてわかりやすく解説します。
黄昏泣きとは
黄昏泣きとは、生後2か月頃から始まり、夕方から夜の早い時間帯に赤ちゃんが理由なく激しく泣き続ける状態を指す言葉です。
あやしても授乳しても泣き止まず、数十分から数時間続くこともあり、初めて経験する親にとっては強い不安を感じやすい現象です。
医学的な病名ではなく、赤ちゃんの発達の途中で一時的にみられる状態として説明されることが多い言葉です。
多くの場合、成長とともに自然に落ち着いていくため、育児上の心配のひとつとして知られています。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
黄昏泣きという言葉の由来
黄昏泣きという名前は、この現象が夕暮れ時に起こりやすいことに由来しています。
太陽が沈み、空が薄暗くなる時間帯を指す「黄昏」という言葉に、泣きやすいという特徴を組み合わせた表現です。
英語圏では同じような現象を「コリック(Colic)」と呼びますが、こちらは腹部の不快感を意味する医学用語に由来する言葉です。
日本語の黄昏泣きは、時間帯に注目した表現である点が特徴といえます。
黄昏泣きが起こる時期とピーク
黄昏泣きは、生後2か月前後から始まるとされています。
泣きが最も強くなる時期は生後3〜4か月頃とされ、その後は少しずつ落ち着いていく傾向があります。
生後5〜6か月頃になると自然におさまるケースが多いといわれていますが、赤ちゃんによって時期には差があります。
起こる時間帯についても、夕方17時頃から21時頃にかけて多いとされていますが、こちらも個人差があります。
黄昏泣きが起こる仕組み・考えられる原因
黄昏泣きの原因は、現時点でひとつに特定されているわけではありません。
いくつかの考え方が挙げられており、複数の要因が重なって起きている可能性が指摘されています。
考えられている主な要因
- 一日の刺激や疲れが夕方に蓄積し、神経が興奮しやすくなるため
- お腹の中にたまったガスによる不快感があるため
- 体内時計(サーカディアンリズム)がまだ整っていないため
- 夕方は親も忙しく、赤ちゃんが不安を感じやすい時間帯であるため
これらはあくまで考え方であり、赤ちゃんごとにあてはまる要因は異なると考えられています。
黄昏泣きのサイン・特徴
黄昏泣きには、いくつか共通した特徴が見られます。
- 授乳やおむつ替えなど、明確な原因が見当たらない
- 抱っこしても泣き止みにくい
- 顔を赤くして手足を突っ張るような泣き方をする
- 決まった時間帯に始まりやすい
体重の増え方や機嫌の良い時間帯には問題がなく、夕方だけ強く泣くという場合は黄昏泣きの可能性があります。
一方で、発熱や嘔吐、ぐったりした様子を伴う場合は、黄昏泣き以外の原因も考えられます。
黄昏泣きへの対応方法
黄昏泣きには、誰にでも効く確実な対処法はないとされています。
それでも、赤ちゃんが落ち着きやすくなる工夫として、いくつかの方法が知られています。
- 縦抱きにして、ゆっくりと体を揺らす
- おくるみで軽く包み、安心感を与える
- 換気扇や水の音のような、一定のホワイトノイズを聞かせる
- 少し部屋の照明を落とし、静かな環境にする
- 短時間、外の空気に触れさせる
効果には個人差があるため、いくつか試しながら赤ちゃんに合う方法を探すことになります。
泣き止まない時間が続くと親も疲れてしまうため、家族や周囲に協力を求め、一人で抱え込まないことも大切です。
黄昏泣きと夜泣きの違い
黄昏泣きと夜泣きは、どちらも赤ちゃんが理由なく泣く点が似ているため混同されやすい言葉です。
黄昏泣きは生後数か月の赤ちゃんに見られ、夕方から夜の早い時間帯に起こる現象です。
一方の夜泣きは、もう少し月齢が進んだ赤ちゃんに多く、夜間の睡眠中に突然泣き出す現象を指します。
| 項目 | 黄昏泣き | 夜泣き |
|---|---|---|
| 起こりやすい月齢 | 生後2〜6か月頃 | 生後6か月以降に多い |
| 起こる時間帯 | 夕方から夜の早い時間 | 夜間の睡眠中 |
| 主な背景 | 神経の興奮やガスなどの説 | 睡眠リズムの発達 |
どちらも一時的な現象とされていますが、時期や起こる時間帯に違いがあります。
黄昏泣きとコリックの違い
コリックは、英語圏で黄昏泣きと同じような現象を指す言葉として使われています。
日本語の黄昏泣きが夕方という時間帯に注目した呼び方であるのに対し、コリックはもともと腹部の不快感を意味する医学用語に由来します。
実際には、両方の言葉はほぼ同じ現象を指すものとして扱われることが多いといえます。
そのため、黄昏泣きとコリックは、呼び方の違いであり、内容としては大きく異ならないと理解しておくとよいでしょう。
黄昏泣きで気をつけたいこと
黄昏泣きが続く時期は、親にとって精神的にも体力的にも負担が大きくなりやすいものです。
泣き止まないことに強い焦りや自責の念を感じてしまう場合もありますが、赤ちゃんの一時的な発達の過程であり、育て方が原因ではないとされています。
強く揺さぶるなど、赤ちゃんに負担をかける行動は避ける必要があります。
親自身が疲れを感じたときは、一度赤ちゃんを安全な場所に置いて数分離れるなど、無理をしすぎない工夫も大切です。
黄昏泣きに関するよくある誤解
黄昏泣きについては、いくつかの誤解が広がりやすい傾向があります。
- 育て方や母乳・ミルクの与え方が悪いために起こる、という誤解
- 必ず何か病気が隠れている、という誤解
- 特別な対処法をすれば必ず泣き止む、という誤解
これらはいずれも正確ではなく、黄昏泣きは多くの赤ちゃんに見られる一過性の現象と考えられています。
泣き方や状況に不安がある場合は、自己判断せずに専門家へ相談することが安心につながります。
受診や相談を考えたいサイン
黄昏泣き自体は病気ではないとされていますが、他の症状を伴う場合は注意が必要です。
- 発熱や嘔吐、下痢を伴う場合
- 体重が増えない、機嫌の良い時間がほとんどない場合
- 泣き方がいつもと明らかに違う、ぐったりして見える場合
このような様子が見られるときは、黄昏泣き以外の原因も考えられるため、自己判断せずに小児科など専門機関へ相談することが望まれます。
定期的な健診の場で、日頃の泣き方について相談しておくのも一つの方法です。
まとめ
黄昏泣きとは、生後2か月頃から始まり、夕方から夜にかけて赤ちゃんが理由なく激しく泣く現象を指す言葉です。
生後3〜4か月頃をピークに、5〜6か月頃には自然に落ち着くことが多いとされていますが、時期には個人差があります。
英語のコリックとはほぼ同じ現象を指す言葉であり、夜間の睡眠中に起こる夜泣きとは、起こる時期や時間帯の点で違いがあります。
確実な対処法はないものの、抱き方や環境の工夫を試しながら、不安なときは一人で抱え込まず専門機関に相談していくことが大切です。

コメント