シナプスとは?仕組みや意味、ニューロン・活動電位との違いをわかりやすく解説

シナプス ナレッジ

脳科学や心理学の記事、記憶力や学習法を紹介するニュースなどで「シナプス」という言葉を見かけることがあります。

「シナプスが強化される」「シナプスの結合が増える」といった表現を見ても、具体的に何が起きているのかイメージしづらいという方も多いのではないでしょうか。

一言でいうと、シナプスとは神経細胞(ニューロン)同士や、神経細胞と筋肉・腺をつなぐ接合部分のことで、ここで神経の信号が次の細胞へ受け渡されます。

この記事では、シナプスの意味や仕組み、ニューロン・活動電位との違いについてわかりやすく解説します。

シナプスとは

シナプスとは、神経細胞(ニューロン)同士、あるいは神経細胞と筋肉や腺をつなぐ接合部分を指す言葉です。

ここで神経の信号が次の細胞へと受け渡され、脳や体の中で情報が伝わっていきます。

一つの脳には非常に多くのシナプスが存在するとされ、複雑な情報処理を支えています。

ニュースや書籍でも、脳の働きや記憶の仕組みを説明する場面で頻繁に登場する言葉です。

⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。

参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター

シナプスの語源・由来

シナプスという言葉は、ギリシャ語で「結びつける」「つなぐ」といった意味を持つ語に由来するといわれています。

神経細胞と神経細胞のあいだをつなぐ部位であることから、この名称が当てられたと考えられています。

現在では脳科学や医学の分野で、神経系の基本的な構造を指す専門用語として広く使われています。

シナプスの仕組み

信号が伝わるまでの流れ

シナプスでは、電気信号と化学物質の両方を使って情報が伝えられます。

まず、信号を送る側のニューロンの末端まで電気的な信号が届きます。

すると末端にある小さな袋(シナプス小胞)から、神経伝達物質という化学物質が放出されます。

放出された神経伝達物質は、シナプス間隙と呼ばれるわずかな隙間を越えて、受け取る側の細胞に届きます。

受け取る側の細胞表面にある受容体に神経伝達物質が結合すると、再び電気的な信号に変換され、次の細胞へと伝わっていきます。

この一連の流れは一瞬のうちに行われており、脳内では無数のシナプスで同時に情報伝達が行われています。

シナプスの種類

興奮性シナプスと抑制性シナプス

シナプスには、受け取った側の細胞を興奮させやすくする「興奮性シナプス」と、逆に興奮を抑える「抑制性シナプス」の二種類があります。

脳の中では、無数の興奮性シナプスと抑制性シナプスが組み合わさることで、信号の強弱やタイミングが細かく調整されています。

この二つのバランスが保たれていることが、脳が正常に働くための重要な条件とされています。

シナプス可塑性とは

シナプス可塑性とは、使われる頻度や条件によって、シナプスでの伝達の強さが変化する性質のことです。

同じ経路の信号が繰り返し使われると、そのシナプスでの伝達効率が高まりやすくなると考えられています。

この変化が、新しいことを覚えたり、経験を記憶として定着させたりする仕組みの基盤になっているとされています。

逆に使われなくなった結びつきは弱まっていくこともあり、この双方向の変化が脳の柔軟な学習能力を支えています。

このような変化のしやすさは年齢を問わず一定程度保たれていると考えられており、大人になってからの学習にも関係しているとされています。

シナプスとニューロンの違い

項目シナプスニューロン
役割神経細胞同士をつなぐ接合部分信号を発生させ伝える神経細胞そのもの
位置づけニューロンとニューロンのあいだにある構造脳や神経系を構成する基本的な細胞
イメージ電車の乗り換え駅のような中継地点線路を走る電車そのもの

ニューロンは神経系を構成する細胞そのものであり、電気信号を生み出し、軸索を通じて伝える役割を担います。

一方のシナプスは、そのニューロンの末端にある、次の細胞へ信号を受け渡すための接合部分です。

つまりニューロンが情報を運ぶ本体であるのに対し、シナプスはニューロンとニューロンをつなぐ中継点という位置づけになります。

シナプスと活動電位の違い

活動電位とは、ニューロンの内部を伝わる電気的な信号そのものを指す言葉です。

刺激を受けたニューロンの膜の内外でイオンの移動が起こり、それが波のように軸索を伝わっていく現象です。

これに対してシナプスは、その活動電位がニューロンの末端まで到達した後、次の細胞へ信号を受け渡す場所を指します。

つまり活動電位は「信号そのもの・信号が伝わる現象」であり、シナプスは「信号を乗り継ぐ場所」という違いがあります。

両者は切り離せない関係にありますが、指しているものが現象なのか構造なのかという点で異なります。

シナプスが記憶・学習に関わる仕組み

何度も同じ経験を繰り返すと、関連するニューロンのあいだのシナプスが使われる頻度が高まります。

その結果、シナプスでの伝達効率が高まり、信号が通りやすくなっていくと考えられています。

この変化の積み重ねが、記憶として定着したり、物事を習得しやすくなったりする仕組みの土台になっているとされています。

スポーツや楽器の練習を重ねると動きがスムーズになっていくのも、シナプスの働きと関係していると考えられています。

シナプスの異常と病気との関わり

シナプスでの神経伝達物質の働きに乱れが生じると、さまざまな神経や心の不調につながる可能性があると考えられています。

たとえば、うつ病や統合失調症、パーキンソン病などの疾患は、シナプスにおける神経伝達物質のバランスと関わりが深いとされています。

こうした疾患に使われる薬の多くは、シナプスでの神経伝達物質の量や働きに作用することで、症状の緩和を目指すものです。

このため、神経伝達物質の働きに作用する薬を使う際は、効果や体調の変化について医師や薬剤師に確認しながら使うことが望ましいとされています。

気になる症状がある場合は自己判断をせず、医療機関を受診し、専門家に相談することが大切です。

シナプスに関するよくある誤解

シナプスは一つのニューロンに一つしかないと誤解されることがありますが、実際には一つのニューロンが多数のシナプスを持っています。

また、シナプスの数や結びつきの強さは一度決まったら変わらないと思われがちですが、実際には年齢や経験によって変化し続けます。

「シナプス=脳細胞」と捉えられることもありますが、シナプスは細胞そのものではなく、細胞と細胞をつなぐ接合部分を指す言葉です。

シナプスが使われる場面・具体例

「シナプス」という言葉は、脳科学や心理学に関する書籍や記事、学習法を紹介するニュースなどでよく見かけます。

「繰り返し学習することでシナプスの結合が強まり、記憶が定着しやすくなる」といった説明は、その代表的な使われ方です。

また、認知症や精神疾患に関する解説記事でも、シナプスの働きの変化という文脈で登場することがあります。

ビジネスの場面でも、「新しい習慣を身につけるにはシナプスの結合を強める必要がある」といった形で使われることがあります。

まとめ

シナプスとは、神経細胞同士や神経細胞と筋肉・腺をつなぐ接合部分であり、神経信号を次の細胞へ受け渡す働きを担っています。

電気信号と神経伝達物質という化学物質を組み合わせて情報を伝える点が、シナプスの仕組みの大きな特徴です。

ニューロンは信号を生み出し伝える細胞そのものであり、活動電位はその内部を伝わる電気信号そのものを指す点が、シナプスとの違いです。

シナプスの働きは記憶や学習だけでなく、さまざまな神経・心の不調とも関わっているため、気になる症状があるときは専門の医療機関に相談することをおすすめします。

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