納豆は日本を代表する発酵食品ですが、「藁(わら)に納豆菌がいる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に、昔の納豆は藁を使って作られていました。しかし、現在では市販の納豆のほとんどが別の方法で製造されています。
この記事では、藁と納豆菌の関係や、昔ながらの納豆作りの仕組み、現在の製法との違いについて詳しく解説します。
藁には納豆菌が付着していることがある
結論からいうと、稲わらには納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)が自然に付着していることがあります。
納豆菌は土壌や植物の表面など自然界に広く存在する細菌の一種です。特に稲わらには納豆菌が付着していることがあり、古くから納豆作りに利用されてきました。
また、納豆菌は「芽胞(がほう)」と呼ばれる非常に丈夫な状態を作ることができるため、熱や乾燥に強いという特徴があります。
昔ながらの納豆は藁を使って作られていた
昔の納豆作りでは、柔らかく蒸した大豆を藁で包み、温かい場所で保温する方法が一般的でした。
作り方の流れは次のとおりです。
- 稲わらを洗浄する
- 熱湯をかけて衛生状態を整える
- 蒸した熱い大豆を藁で包む
- 約40℃前後で1~2日保温する
- 納豆菌が増殖して納豆になる
藁に付着していた納豆菌が大豆の表面で増殖し、発酵が進むことで独特の粘りや香りが生まれます。
なぜ熱湯をかけても納豆菌は生き残るのか
納豆菌は芽胞を形成できる細菌です。
芽胞は通常の細菌よりも高い耐熱性を持っており、熱湯をかけても生き残る場合があります。一方で、多くの雑菌は熱によって減少するため、納豆菌が優位に増殖しやすい環境を作ることができます。
この性質を利用して、昔から比較的安全に納豆が作られてきました。
現在の市販納豆は藁ではなく培養した納豆菌を使用
現在、市販されている納豆のほとんどは、純粋培養した納豆菌を使用して製造されています。
その理由は以下のとおりです。
- 品質を均一に保てる
- 安全性が高い
- 発酵時間を安定して管理できる
- 衛生管理がしやすい
- 味や香りにばらつきが出にくい
そのため、現在の納豆工場では藁を使わず、管理された環境で培養した納豆菌を大豆へ接種して発酵させるのが一般的です。
現代の稲わらでも納豆は作れる?
理論上は可能ですが、必ず成功するとは限りません。
その理由として、現在の稲わらは次のような条件が昔とは異なるためです。
- 栽培環境が変化している
- 保管方法が異なる
- 納豆菌の付着量にばらつきがある
- 他の微生物が付着している可能性がある
そのため、藁だけに頼った納豆作りは成功率が安定しません。
家庭で納豆を作るなら市販納豆を種菌にするのがおすすめ
家庭で納豆を作る場合は、市販の納豆を種菌として利用する方法が最も確実です。
基本的な流れは以下のとおりです。
- 大豆を一晩水に浸す
- 指で簡単につぶせるほど柔らかく蒸す
- 市販の納豆を少量混ぜる
- 約40℃で18~24時間発酵させる
- 冷蔵庫で1~2日熟成させる
この方法であれば、安定して納豆を作りやすくなります。
藁と納豆に関するよくある質問
藁には必ず納豆菌がいますか?
いいえ。納豆菌が付着していることはありますが、必ず存在するとは限りません。
なぜ藁で包むだけで納豆になったのですか?
藁に付着していた納豆菌が、蒸した大豆の栄養を利用して増殖し、発酵が進むためです。
市販の納豆は藁で作られていますか?
現在の市販納豆の多くは、培養した納豆菌を使用して製造されています。藁を使用した商品もありますが、包装や風味付けを目的としている場合もあります。
まとめ
藁には自然に納豆菌が付着していることがあり、昔はその性質を利用して納豆が作られていました。
しかし、現在では品質や安全性を確保するため、ほとんどの納豆メーカーは純粋培養した納豆菌を使用しています。
家庭で納豆作りに挑戦する場合も、藁を使うより市販の納豆を種菌として利用する方が成功しやすく、衛生面でも安心です。

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