まぶたの一部が赤く腫れて痛みを感じ、眼科を受診した際に「麦粒腫」と診断されることがあります。
日常生活では「ものもらい」と呼ぶことが多いため、麦粒腫という診断名を聞いて戸惑う人も少なくありません。
麦粒腫とは、まぶたの縁にある腺に細菌が感染して起こる急性の炎症で、いわゆるものもらいの医学的な正式名称にあたります。
この記事では、麦粒腫の意味や症状、原因、治療法、ものもらい・結膜炎との違いについてわかりやすく解説します。
麦粒腫とは
麦粒腫は、まぶたの縁にある腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症です。
日常生活では「ものもらい」という呼び名のほうが広く知られています。
麦粒腫は医学的な診断名であり、ものもらいはその通称にあたると理解しておくと整理しやすいです。
多くの場合は片方のまぶたに起こり、数日のうちに赤みや腫れが目立つようになります。
⚠️ 健康・医療に関する大切なお知らせ
このページは一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療など健康に関する判断は自己判断せず、医師・薬剤師など専門家にご相談ください。
参考: 厚生労働省 / e-ヘルスネット(厚労省) / MSDマニュアル家庭版 / 難病情報センター
麦粒腫の語源・由来
麦粒腫という名前は、炎症を起こした部分が麦の粒のように見えることに由来するといわれています。
ものもらいという呼び方には地域差があり、地域によっては「めばちこ」など別の呼び名も使われています。
方言としての呼び名が複数残っているのは、昔から多くの人にとって身近な症状だったためと考えられます。
麦粒腫が起こる仕組み
まぶたの縁には、まつげの根元や汗腺、皮脂腺など小さな腺が密集しています。
これらの腺のどこかに細菌が入り込んで増殖すると、炎症反応が起きて赤く腫れます。
原因となる細菌の多くは、皮膚や鼻の中にもふだんから存在している黄色ブドウ球菌とされています。
体の抵抗力が落ちているときに細菌の増殖を抑えきれず、症状として現れやすくなります。
麦粒腫の種類
麦粒腫は、感染する腺の場所によって外麦粒腫と内麦粒腫の2つに分けられます。
- 外麦粒腫:まつげの毛根周辺の腺に感染し、まぶたの外側(皮膚側)に腫れが出やすいもの
- 内麦粒腫:まぶたの内側にある腺に感染し、結膜側に腫れや膿が出やすいもの
どちらも細菌感染が原因であり、基本的な症状の経過や対処の考え方は大きく変わりません。
麦粒腫の主な症状
初期は、まぶたの一部にかゆみや軽い違和感を感じることから始まることが多いです。
その後、その部分が赤く腫れ、触れると痛みを感じるようになります。
症状が進むと熱を持ったように感じられ、やがて腫れた部分に膿がたまってくることがあります。
まぶた全体が重く感じられたり、まばたきのときに違和感が強くなったりすることもあります。
麦粒腫になりやすい原因・リスク
不衛生な手でまぶたやまつげに触れることは、発症のきっかけになりやすいといわれています。
コンタクトレンズの取り扱いが不十分なときや、目の周りを清潔に保てていないときも注意が必要です。
睡眠不足や過労などで体の抵抗力が落ちているときも、細菌が増えやすい状態になります。
アイメイクの道具を清潔に保たないことも、発症のリスクを高める要因のひとつとされています。
麦粒腫の治療法
症状が軽いうちは、温かいタオルなどで患部を温める温罨法が勧められることがあります。
医療機関を受診すると、炎症を抑える点眼薬や軟膏が処方されることが一般的です。
膿がたまって大きくなった場合は、眼科で切開して膿を出す処置が行われることもあります。
自分で膿を無理に押し出そうとすると炎症が広がる恐れがあるため、避けたほうがよいとされています。
まぶたの腫れや痛みが続くときは、自己判断で様子を見るのではなく、眼科医に相談することが大切です。
麦粒腫とものもらいの違い
麦粒腫とものもらいは、同じ症状を指す別の呼び方にすぎません。
麦粒腫は医学用語としての診断名であり、ものもらいは日常生活で広く使われている通称です。
そのため症状や原因、治療の考え方に違いはなく、呼び方が異なるだけだと理解しておけば十分です。
麦粒腫と結膜炎の違い
結膜炎は、まぶたの裏側や白目を覆う結膜という膜に炎症が起こる病気です。
麦粒腫はまぶたの縁にある腺の感染であるのに対し、結膜炎は結膜全体に炎症が広がる点が異なります。
結膜炎は細菌だけでなくウイルスやアレルギーが原因になることもあり、充血や目やにが目立つ症状です。
| 項目 | 麦粒腫 | 結膜炎 |
|---|---|---|
| 炎症の場所 | まぶたの縁の腺 | 結膜(白目・まぶたの裏) |
| 主な原因 | 細菌感染(黄色ブドウ球菌など) | 細菌・ウイルス・アレルギーなど |
| 主な症状 | 部分的な腫れや痛み | 充血や目やに、かゆみ |
麦粒腫と霰粒腫はどう違う?
霰粒腫は、麦粒腫と名前が似ていますが、原因が異なる別の疾患です。
麦粒腫は細菌感染による炎症ですが、霰粒腫はまぶたの腺に脂質がたまって起こる炎症とされています。
霰粒腫は痛みを伴わないことが多く、しこりのような腫れとして気づかれることがあります。
見た目だけでは判断しにくいため、気になる腫れがあるときは眼科で確認してもらうと安心です。
麦粒腫になったときの注意点
まぶたが腫れている間は、目をこすったり不要に触れたりしないよう気をつけましょう。
コンタクトレンズの使用は、症状が落ち着くまで控えたほうがよいとされています。
市販のアイメイク用品は、症状がある間は使用を控え、周辺を清潔に保つことが勧められます。
症状が長引く場合や悪化しているように感じる場合は、早めに眼科を受診して相談することが大切です。
麦粒腫についてよくある誤解
麦粒腫は「人からうつる病気」と誤解されることがありますが、基本的には自分の皮膚にいる細菌が関わっています。
そのため、他人に接触しただけで広がることは一般的には考えにくいとされています。
また「膿を出せば早く治る」と考えて自分で潰そうとする人もいますが、炎症を悪化させる原因になりかねません。
正しい知識を持ち、適切なタイミングで眼科に相談することが、症状を長引かせないための近道です。
まとめ
麦粒腫は、まぶたの縁にある腺に細菌が感染して起こる急性の炎症で、一般にはものもらいと呼ばれています。
感染する部位によって外麦粒腫と内麦粒腫に分けられ、赤み・腫れ・痛みといった症状が特徴です。
結膜炎や霰粒腫とは原因や症状が異なるため、見分けがつきにくいときは眼科での診察が役立ちます。
まぶたの腫れや痛みに気づいたときは、自己判断で済ませず、早めに眼科へ相談することをおすすめします。


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