ゴーストレストランとは?仕組みやメリット・デメリット、クラウドキッチンとの違いを解説

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ゴーストレストランとは、基本的に客席を設けず、デリバリーやテイクアウトを中心に料理を提供する飲食店の営業形態です。

一般的なレストランのように来店客を店内でもてなすのではなく、オンラインで注文を受け、厨房で調理した料理を配達員などを通じて利用者へ届けます。

飲食店のデリバリー需要が広がったことで知られるようになった営業形態であり、「バーチャルレストラン」などの言葉と関連して使われることもあります。

この記事では、ゴーストレストランの仕組みや特徴、メリット・デメリット、クラウドキッチンとの違いについて分かりやすく解説します。

ゴーストレストランとは

ゴーストレストランは、客席を持たず、主にデリバリーを通じて料理を販売する飲食店です。

「ゴースト」という名称は、利用者から見える通常の店舗が存在しない、あるいは店舗の実体が見えにくいことに由来します。

ただし、実際に店舗が存在しないわけではありません。料理を調理する厨房があり、そこで注文された商品を作っています。

利用者はデリバリーサービスや店舗のWebサイトなどから商品を注文し、完成した料理を受け取ります。

ゴーストレストランの仕組み

ゴーストレストランでは、注文から商品の受け取りまでがオンラインと配送を中心に完結します。

基本的な流れは次のようになります。

  1. 利用者がデリバリーサービスやWebサイトなどで料理を注文する
  2. 店舗側が注文情報を確認する
  3. 厨房で料理を調理する
  4. 配達員などが商品を受け取る
  5. 注文者の指定した場所まで料理を届ける

通常の飲食店では、来店した客の案内、注文、配膳、会計といった店内業務が発生します。

一方、ゴーストレストランでは客席での接客を前提としないため、厨房での調理や商品の受け渡しを中心とした店舗設計が可能です。

1つの厨房で複数のブランドを運営することもある

ゴーストレストランの特徴の一つが、同じ厨房から複数の飲食ブランドを展開できることです。

例えば、同じ厨房で「カレー専門店」「唐揚げ専門店」「丼専門店」などを運営し、それぞれ別のブランド名でオンライン上に掲載する方法があります。

食材や調理設備を共有できるメニューを設計すれば、一つの厨房設備を活用しながら複数のブランドを展開できます。

ただし、すべてのゴーストレストランが複数ブランドを運営しているわけではありません。1つのブランドだけをデリバリー専門で運営する形態もあります。

ゴーストレストランのメリット

客席を用意する必要がない

ゴーストレストランでは、基本的に店内飲食用の客席を必要としません。

一般的な飲食店では厨房だけでなく、テーブルや椅子、通路、トイレなどを含めた客席スペースが必要になります。

ゴーストレストランではこうした客席を前提としないため、調理と商品の受け渡しに適した店舗設計ができます。

出店場所の選択肢を広げやすい

一般的な飲食店では、駅前や繁華街など、人通りの多さが集客を左右する重要な要素になります。

ゴーストレストランはオンラインからの注文を中心とするため、通行人からの視認性に対する重要度は相対的に低くなります。

ただし、デリバリーでは配達可能エリアや周辺人口、注文需要、配達時間などが売上に影響するため、どこに出店してもよいわけではありません。

店内接客の業務を減らせる

客席を設けない場合、ホールでの案内や配膳などの業務を減らすことができます。

その分、調理や注文管理、商品の梱包、配達員への受け渡しなどに業務を集中させやすくなります。

複数ブランドを展開しやすい

設備や食材を共有できる場合、一つの厨房から複数のブランドを展開することも可能です。

例えば、同じ鶏肉を使用しながら、唐揚げ、チキン丼、チキンカレーなど異なる商品構成を用意するといった方法があります。

オンライン上でブランドごとにコンセプトを設定できることも、ゴーストレストランの特徴です。

ゴーストレストランのデメリット

オンラインでの集客が重要になる

ゴーストレストランには、通常の飲食店のように通行人が看板を見て入店するという集客経路がありません。

そのため、デリバリーサービス内での露出、口コミ、評価、SNS、Webサイトなど、オンライン上で店舗を知ってもらうための施策が重要になります。

デリバリーサービスのコストが発生する場合がある

外部のデリバリープラットフォームを利用する場合、契約内容に応じて手数料などの費用が発生します。

そのため、単純に「客席がないから低コスト」と考えるのではなく、食材費、人件費、家賃、容器代、配送関連費用などを含めて収益性を検討する必要があります。

店舗の雰囲気で差別化しにくい

一般的なレストランでは、料理だけでなく、内装、接客、音楽、店内の雰囲気なども顧客体験の一部になります。

ゴーストレストランでは利用者が店舗を訪れないため、こうした空間によるブランド体験を提供することが難しくなります。

その分、料理の品質、メニュー、価格、写真、パッケージ、口コミなどによる差別化が重要になります。

配送による品質変化を考慮する必要がある

デリバリーでは、料理を作ってから利用者が食べるまで一定の時間がかかります。

そのため、時間が経過すると食感や温度が大きく変化する料理は、店内飲食と同じ品質を維持することが難しい場合があります。

ゴーストレストランでは、配送時間を考慮したメニュー開発や容器選びも重要です。

ゴーストレストランとクラウドキッチンの違い

ゴーストレストランと混同されやすい言葉に「クラウドキッチン」があります。

両者は関連性の高い言葉ですが、同じ意味とは限りません。

一般的には、ゴーストレストランは「客席を持たずデリバリーなどを中心に料理を販売する飲食店や営業形態」を指し、クラウドキッチンは「デリバリー型の飲食事業などで利用される厨房施設・厨房サービス」を指す場合があります。

項目ゴーストレストランクラウドキッチン
主に指すもの飲食店・営業形態厨房・施設やその提供形態
客席基本的に設けない基本的に客席を前提としない
主な用途デリバリーなどによる料理販売飲食事業者への厨房環境の提供など
関係クラウドキッチンを利用して営業する場合があるゴーストレストランなどが入居・利用する場合がある

例えば、複数の飲食事業者が利用できる厨房施設を運営会社が提供し、その厨房を借りた事業者がゴーストレストランを営業するケースがあります。

なお、「クラウドキッチン」「ゴーストキッチン」「バーチャルキッチン」などの用語は、事業者や地域によって使い方が異なる場合があります。

ゴーストレストランとバーチャルレストランの違い

「バーチャルレストラン」という言葉も、ゴーストレストランと近い意味で使われています。

明確に統一された使い分けがされているわけではありませんが、バーチャルレストランはオンライン上の飲食ブランドという意味合いで使われることがあります。

例えば、既存の飲食店が自店の厨房を利用しながら、デリバリーサービス上では実店舗とは異なるブランド名の商品を販売するケースがあります。

一方、ゴーストレストランは、客席を持たずデリバリーを中心に営業する店舗そのものを表す言葉として使われることがあります。

実際には両者をほぼ同じ意味で使用する場合もあるため、名称だけではなく、どのような営業形態なのかを確認することが重要です。

ゴーストレストランは実店舗のない飲食店なのか

ゴーストレストランを「実店舗のない飲食店」と説明することがありますが、厳密には注意が必要です。

客が食事をするための店舗がないという意味では分かりやすい表現ですが、料理を調理する厨房まで存在しないわけではありません。

そのため、「実店舗がない」というよりも、一般客向けの客席を持たない飲食店と考えるほうが実態を理解しやすいでしょう。

オンライン上に表示されるブランド名と、実際に調理している厨房や事業者の名称が異なるケースもあります。

ゴーストレストランを利用するときのポイント

利用者にとってゴーストレストランは、通常のデリバリー対応店と同じように注文できます。

ただし、オンライン上のブランド名だけでは、どの事業者がどこで調理しているのか分かりにくい場合があります。

気になる場合は、デリバリーサービスなどに表示される店舗情報や事業者情報を確認するとよいでしょう。

また、同じ住所から複数のブランドが出店していても、それだけで問題があるとは限りません。一つの厨房から複数ブランドを運営すること自体が、ゴーストレストランで採用されることのあるビジネスモデルだからです。

まとめ

ゴーストレストランとは、基本的に客席を持たず、デリバリーやテイクアウトを中心に料理を販売する飲食店の営業形態です。

客席を必要としないため、店舗設計や出店場所の自由度を高めやすく、一つの厨房から複数のブランドを展開することもできます。

一方で、オンラインでの集客、デリバリープラットフォームの利用コスト、配送による料理の品質変化など、従来型の飲食店とは異なる課題があります。

また、ゴーストレストランはクラウドキッチンやバーチャルレストランと関連性が高いものの、それぞれが指す対象や使われ方には違いがあります。

ゴーストレストランは、単に「店舗が存在しないレストラン」ではなく、客席を持たず、オンライン注文と配送を前提として設計された飲食ビジネスの形態と理解すると分かりやすいでしょう。

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