ショートスリーパーとは、一般的な人より睡眠時間が短くても、日中に強い眠気や心身の不調が生じず、十分に活動できる人を指す言葉です。
「短時間睡眠者」と表現されることもあります。
ただし、単純に「毎日あまり寝ていない人」をショートスリーパーと呼ぶわけではありません。必要な睡眠時間には個人差があり、本当に短時間の睡眠で足りる人と、単に睡眠不足になっている人を区別することが重要です。
ショートスリーパーとは
ショートスリーパーは、一般的な睡眠時間より短い睡眠でも、日中の覚醒状態や活動に大きな問題が生じない人を指します。
医学的には、本人が意図的に睡眠を削っているのではなく、自然に睡眠時間が短く、それでも日中の過度な眠気などがみられない状態が「自然な短時間睡眠」として扱われます。
重要なのは「何時間寝ているか」だけではありません。
短時間睡眠でも日中の眠気がなく、十分な覚醒状態を維持できていることがポイントになります。
ショートスリーパーは何時間睡眠?
ショートスリーパーについては「6時間未満」などの睡眠時間が目安として紹介されることがあります。
ただし、「○時間未満ならショートスリーパー」という一律の基準だけで判断することはできません。
必要な睡眠時間には個人差があるためです。
また、米国睡眠医学会と睡眠研究学会は、健康な成人について、健康維持のため定期的に1晩7時間以上眠ることを推奨しています。これは成人全員が必ず同じ時間眠らなければならないという意味ではありませんが、多くの人にとって十分な睡眠時間を確保することが重要であることを示しています。
したがって、「5時間しか寝ていないからショートスリーパー」という判断は適切ではありません。
ショートスリーパーと睡眠不足の違い
ショートスリーパーを理解するうえで最も重要なのが、睡眠不足との違いです。
| 項目 | 自然なショートスリーパー | 睡眠不足の人 |
|---|---|---|
| 睡眠時間 | 自然に短い | 必要な睡眠時間を確保できていない |
| 短時間睡眠 | 無理に睡眠を削っていない | 仕事や生活習慣などで削っている場合がある |
| 日中の眠気 | 基本的に問題となる強い眠気がない | 眠気が生じることがある |
| 集中力・活動 | 十分に維持できる | 低下する可能性がある |
| 休日の睡眠 | 極端な寝だめを必要としない | 平日より長く眠る場合がある |
たとえば、仕事のために毎日5時間しか眠れず、休日になると長時間眠ってしまう場合は、自然なショートスリーパーではなく、平日に睡眠不足が蓄積している可能性があります。
ショートスリーパーの特徴
自然なショートスリーパーでは、短い睡眠時間が本人にとって無理のない状態になっています。
代表的な特徴としては、自然に短時間で目が覚める、短時間睡眠でも日中に強い眠気を感じない、睡眠時間を意図的に削っているわけではない、といった点が挙げられます。
一方で、睡眠時間が短いうえに日中の眠気、集中力低下、強い疲労感などがある場合は、単純にショートスリーパーだと考えるべきではありません。
ショートスリーパーには遺伝が関係している?
自然な短時間睡眠については、遺伝的要因との関連が研究されています。
代表的な研究の一つでは、転写因子に関係する「DEC2(BHLHE41)」の特定の変異と、自然な短時間睡眠との関連が報告されています。
その後も、自然な短時間睡眠に関連する遺伝子について研究が進められています。
ただし、特定の遺伝子だけですべてのショートスリーパーを説明できるわけではありません。
「短時間睡眠=特定の遺伝子を持っている」と単純化することはできず、睡眠時間や睡眠の必要量については現在も研究が続けられています。
ショートスリーパーは訓練でなれる?
睡眠時間を少しずつ削れば、誰でも自然なショートスリーパーになれるとは確認されていません。
ここは非常に重要なポイントです。
生活習慣によって睡眠時間そのものを短くすることはできます。しかし、それによって身体が必要とする睡眠量まで少なくなるとは限りません。
つまり、
「4時間睡眠に慣れた」
ことと、
「身体にとって4時間の睡眠で十分」
ということは別の問題です。
慢性的な睡眠不足では、眠気だけでなく注意力や認知機能などにも影響が及ぶ可能性があります。
そのため、ショートスリーパーになることを目的として意図的に睡眠時間を大幅に削ることは推奨できません。
「短時間睡眠に慣れた」と感じる場合も注意
睡眠不足が続いているにもかかわらず、本人が「もう短時間睡眠に慣れた」と感じる場合があります。
しかし、自分自身の感覚だけで睡眠が十分かどうかを正確に判断できるとは限りません。
睡眠時間を考える際には、単に「眠くない」という感覚だけではなく、日中の集中力、仕事や学習のパフォーマンス、疲労感、休日の睡眠時間なども確認することが大切です。
特に休日になると平日より大幅に長く眠る場合は、平日の睡眠が不足している可能性を考える必要があります。
ショートスリーパーとロングスリーパーの違い
ショートスリーパーとは反対に、平均より長い睡眠時間を必要とする人を「ロングスリーパー」と呼ぶことがあります。
ショートスリーパーは比較的短い睡眠で十分に活動できるのに対し、ロングスリーパーは十分な休息を得るために比較的長い睡眠を必要とします。
どちらの場合も重要なのは、単純な睡眠時間だけではなく、その睡眠によって本人が十分に休息できているかどうかです。
必要な睡眠量には個人差があります。
自分がショートスリーパーか判断するポイント
単純な睡眠時間だけで、自分がショートスリーパーかどうかを判断することはできません。
確認したいのは、目覚まし時計がなくても自然に短時間で目覚めるか、日中に強い眠気がないか、休日に大幅な寝だめをしていないか、睡眠時間を意図的に削っていないか、集中力や活動量を問題なく維持できているか、といった点です。
睡眠時間が短く、日常生活に支障を感じているのであれば、「自分はショートスリーパーだから大丈夫」と決めつけないことが重要です。
強い日中の眠気が続く、十分寝ているはずなのに眠い、睡眠の問題によって生活に支障が出ているといった場合には、医療機関への相談も選択肢になります。
ショートスリーパーだから健康とは限らない
「睡眠時間が短いのに元気」というイメージから、ショートスリーパーは睡眠効率が高く、誰よりも健康的だと考えられることがあります。
しかし、短時間睡眠そのものが健康上のメリットになるわけではありません。
また、一般の人が必要な睡眠時間を削れば、健康的なショートスリーパーになれるわけでもありません。
睡眠では「できるだけ短くすること」を目標にするのではなく、自分に必要な睡眠を十分に確保することが大切です。
まとめ
ショートスリーパーとは、一般的な人より短い睡眠時間でも、日中に強い眠気などの問題がなく、自然に生活できる人を指します。
重要なのは、単に睡眠時間が短いだけではショートスリーパーとはいえないことです。
自然な短時間睡眠については遺伝的要因との関連も研究されていますが、睡眠時間を意図的に削ることで誰でもショートスリーパーになれることが確認されているわけではありません。
「短時間睡眠でも平気」と感じていても、休日に長時間寝てしまう、日中に眠くなる、集中力が続かない、疲労が抜けないといった状態があるなら、睡眠不足の可能性があります。
睡眠時間の長さだけにこだわらず、自分が日中に十分な覚醒状態を保ち、健康的に生活できるだけの睡眠を確保することが重要です。


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