ロキソニンとカロナールの違いをわかりやすく解説

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ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)とカロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、どちらも解熱鎮痛薬です。どちらを選ぶべきかは「炎症の強さ」「胃腸の強さ」「持病・年齢・妊娠授乳の有無」で変わります。本記事では、作用の違い・使い分けの目安・注意点を整理します。

要点のまとめ(最初に結論)

  • ロキソニン:NSAIDs。炎症を伴う強い痛みに強いが、胃への負担が相対的に大きい。
  • カロナール:非NSAIDs。胃や腎への負担が少なく幅広く使いやすいが、炎症抑制は控えめ。
  • 子ども・高齢者・妊娠授乳中・胃が弱い人・風邪やインフルエンザの発熱には、まずカロナールが選ばれやすい。
  • 即効でしっかり痛みを抑えたい、炎症が強い(歯痛・生理痛・関節痛など)ならロキソニンが候補。

基本スペック比較

項目ロキソニン(ロキソプロフェン)カロナール(アセトアミノフェン)
分類NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)非NSAIDs
主作用発熱・痛み・炎症を抑える発熱・痛みを抑える(炎症抑制は弱い)
体感の効き速く・強め穏やか・マイルド
胃腸への影響胃荒れ・胃潰瘍リスクに注意比較的少ない
腎機能への影響長期・脱水時などで負担になりうる比較的安全性が高い
年齢の適用一般に15歳以上で用いられることが多い低年齢から使用可能(用量調整前提)
向く場面炎症性の痛み(歯痛・生理痛・関節痛・喉の炎症痛など)発熱・軽~中等度の痛み、胃が弱い人、子ども・高齢者

作用メカニズムの違い

  • ロキソニン:炎症や痛み・発熱の原因物質「プロスタグランジン」の産生を抑制。炎症性の痛みに強い一方、胃粘膜保護も弱めるため胃症状が出やすい。
  • カロナール:主に中枢(脳)で痛み・発熱のシグナルを調整。炎症抑制は控えめだが、胃腸・腎への影響が比較的少ない。

症状別の使い分け目安

  • 強い頭痛・歯痛・生理痛・関節痛など炎症が強い痛み:ロキソニンが第一候補になりやすい。
  • ただの発熱を早く下げたい、胃が弱い、脱水が心配、子どもや高齢者:カロナールが無難。
  • 風邪・インフルエンザの発熱:まずはカロナールが選ばれることが多い。
  • 空腹時しか飲めない・胃がつらくなりやすい:カロナールを検討(ロキソニンなら食後や胃薬併用が望ましい)。

一緒に飲むべき?

基本はどちらか一方を選びます。併用で効果が「倍」になるわけではなく、副作用リスクが増える可能性があります。医師・薬剤師の明確な指示がある場合のみ併用可と考えてください。

飲み方のコツと注意点

  • ロキソニンは空腹時を避け、食後に。胃痛・胸やけがあれば中止し相談。
  • どちらも「長期連用」を自己判断で続けない。数日で改善しないなら受診。
  • 既往症や他薬との相互作用に注意(腎・肝疾患、抗凝固薬、飲酒習慣など)。
  • 妊娠・授乳中、子ども・高齢者は自己判断を避け、必ず医療者に確認。

よくある質問

Q. 効きが弱い気がする。増量していい?
A. 自己判断の増量は危険です。種類の切り替えや投与間隔の調整も含め、医師・薬剤師に相談してください。

Q. 食後じゃないと飲めない?
A. ロキソニンは胃の負担軽減のため食後推奨。カロナールは比較的影響が少ないものの、体質により胃もたれが出る場合は食後が無難です。

Q. 解熱後も飲み続けていい?
A. 熱や痛みが落ち着いたら中止して構いません。再燃する場合は背景疾患が潜むこともあるため、長引くときは受診を。

まとめ

  • 炎症が強い痛みにはロキソニン、幅広く安全に使いやすいのはカロナール。
  • 体質・年齢・持病・併用薬で最適解は変わるため、迷ったら薬剤師に相談。
  • どちらも「短期的に症状を和らげる薬」。原因疾患の治療や休養・水分補給などの基本を忘れないことが大切です。

※ 本記事は一般的な情報提供です。具体の用量・用法や併用可否は、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。

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