夜空に流れる光――それが地面まで届いたとき、私たちはそれを隕石(いんせき)と呼びます。隕石は、太陽系誕生の痕跡を今に伝える“宇宙のサンプル”。本記事では、隕石の定義・種類・価値・日本での事例まで、基礎から整理します。
隕石とは?
隕石とは、宇宙空間に存在していた岩石や金属のかけらが地球の大気圏を通過し、燃え尽きずに地表へ到達したものです。
- 宇宙空間を漂う小天体の破片 → 流星体
- 大気圏で発光する現象 → 流星
- 地上に落下した固体 → 隕石
つまり、「光る現象」が流星、「落ちてきた実体」が隕石です。
隕石の主な種類
1. 石質隕石
岩石成分が中心。発見数の約9割を占めます。内部に「コンドリュール」と呼ばれる丸い粒状構造を持つタイプもあります。
2. 鉄隕石
主成分は鉄とニッケル。切断・研磨するとウィドマンシュテッテン構造という独特の結晶模様が現れます。非常に重いのが特徴です。
3. 石鉄隕石
岩石と金属が混在する希少タイプ。見た目の美しさから標本価値も高いとされます。
どのくらい落ちているのか?
地球には毎日、数十トン規模の宇宙塵が降り注いでいると推定されています。ただし、実際に“隕石”として回収されるのはごく一部。
- 海や森林に落ちると発見が困難
- 砂漠や南極は発見率が高い(背景が単調で識別しやすい)
有名な隕石落下事例
チェリャビンスク隕石落下事件
2013年、ロシア上空で爆発的に発光。衝撃波で多数の建物が破損し、1,000人以上が負傷しました。隕石のエネルギーは広島型原爆の数十倍と推定されます。
能代隕石落下
秋田県で目撃された火球現象。後に隕石が発見され、日本国内でも継続的に落下事例が確認されています。
隕石は危険?
巨大な隕石は歴史的に生態系へ大きな影響を与えてきました。代表例は約6,600万年前の恐竜絶滅に関連するとされる隕石衝突です。
ただし、日常生活で人に直撃する確率は極めて低いとされています。
なぜ研究価値が高いのか?
隕石は、太陽系形成初期(約46億年前)の物質をほぼそのまま保持している場合があります。
地球上の岩石は地殻変動や風化で変質しますが、隕石は“宇宙空間の冷凍保存サンプル”のような存在です。
研究分野:
- 太陽系形成史
- 有機物・生命起源研究
- 惑星進化過程
隕石は手に入る?
小型の隕石は標本市場で購入可能です。
価格は種類・希少性・保存状態により大きく異なります。鉄隕石の小片であれば比較的入手しやすい一方、月や火星由来とされる隕石は高額になります。
まとめ
- 隕石は「宇宙から地上に届いた固体」
- 種類は石質・鉄・石鉄の3分類
- 太陽系誕生の情報を含む重要資料
- 落下は珍しくないが、発見は難しい
隕石は単なる石ではなく、太陽系の歴史を語る“宇宙の化石”です。
夜空を見上げたとき、その一瞬の光が地球へ届く可能性を想像してみてください。

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