近年、「ヤングケアラー」という言葉がニュースや教育現場で取り上げられる機会が増えています。
ヤングケアラーとは何を指す言葉なのか、なぜ問題視されているのか、そして私たちに何ができるのかを分かりやすく解説します。
ヤングケアラーとは?
ヤングケアラーとは、本来は大人が担うべき家族の介護や世話、家事、精神的な支えなどを、日常的に行っている子どもや若者のことを指します。
日本では主に18歳未満の子どもが対象とされることが多く、場合によっては18歳以上30歳未満の若者まで含めて議論されることもあります。
重要なのは、「家族の手伝いをしている」こと自体ではなく、
学業や生活に支障が出るほどの負担を継続的に背負っている状態である点です。
ヤングケアラーが担っている役割の例
ヤングケアラーが行っている支援内容は、家庭によってさまざまです。
- 高齢の祖父母や病気・障害のある家族の介護
- 料理、洗濯、掃除、買い物などの家事全般
- 幼い兄弟姉妹の世話や送迎
- 家族の悩みを聞くなどの精神的な支え
- 外国籍の家族に代わっての通訳や手続き対応
これらをほぼ毎日、長時間にわたって行っている場合、ヤングケアラーに該当する可能性があります。
なぜヤングケアラーが問題なのか
ヤングケアラーの多くは責任感が強く、「自分がやらなければ」と思い込みがちです。そのため、周囲から気づかれにくいという特徴があります。
しかし、次のような深刻な影響が指摘されています。
学校生活への影響
- 遅刻や欠席が増える
- 宿題や勉強に集中できない
- 部活動や友人関係に参加しにくい
心身への負担
- 慢性的な疲労やストレス
- 孤独感や不安感を抱えやすい
将来への影響
- 進学や就職の選択肢が狭まる
- 「自分の人生を後回しにする」意識が定着する
子ども自身が助けを求めることが難しい点も、大きな課題です。
日本におけるヤングケアラーの現状
国の調査では、
中学生のおよそ17人に1人、高校生のおよそ24人に1人がヤングケアラーに該当するとされています。
決して特別な家庭だけの問題ではなく、どの地域・どの学校にも存在しうる身近な社会課題であることが分かります。
進められている支援と取り組み
近年、日本でもヤングケアラー支援が本格化しています。
- 学校での早期発見と相談体制の整備
- 自治体による相談窓口や支援コーディネーターの設置
- 介護・福祉サービスを家庭全体で利用できる仕組み
- ヤングケアラー本人の居場所づくりや心理的支援
「子どもに任せきりにしない」社会づくりが進められています。
私たちにできること
ヤングケアラーを支えるために重要なのは、次の視点です。
- 「頑張っていてえらい」で終わらせない
- 困っている可能性に気づく
- 話を聞き、つなげる先を知っておく
支援は、特別な専門家だけが行うものではありません。
周囲の大人が気づき、声をかけることが第一歩になります。
まとめ
ヤングケアラーとは、
子どもでありながら、家族を支える大きな責任を日常的に担っている存在です。
本人の優しさや努力に頼るのではなく、
社会全体で支える仕組みを整えることが不可欠とされています。
「知ること」そのものが、支援の第一歩です。

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