システム改修やWebサイト更新の現場でよく耳にする言葉が「デグレード(デグレ)」です。
エンジニアだけでなく、ディレクターや運用担当者にとっても重要な概念ですが、意味が曖昧なまま使われていることも少なくありません。
この記事では、デグレードの意味から具体例、発生原因、防止策までをわかりやすく解説します。
デグレード(デグレ)とは?
デグレード(degrade)とは、
変更や修正を行った結果、以前は正常だった機能や品質が低下・不具合化してしまうことを指します。
IT・ソフトウェア開発の現場では、以下のような意味合いで使われます。
- 機能修正後に別の機能が壊れる
- 更新によって使い勝手や表示が悪化する
- 性能や処理速度が以前より低下する
現場では略して 「デグレ」 と呼ばれることが一般的です。
デグレードの語源と正式名称
実務で使われる「デグレ」は、厳密には
リグレッション(Regression)の略として使われるケースが多い言葉です。
- degrade:劣化する、品質が下がる
- regression:後退、逆戻り
日本の開発現場ではこれらが混同され、
「デグレ=修正による不具合の再発・品質低下」
という意味で定着しています。
デグレードの具体例
実際の現場でよくある例を見てみましょう。
例1:機能追加による不具合
新しい入力項目をフォームに追加したところ、
既存の送信処理が動かなくなった。
例2:デザイン修正による表示崩れ
PC表示のレイアウトを調整した結果、
スマートフォン表示だけが崩れた。
例3:バージョンアップによる性能低下
システム更新後、
ページ表示速度が以前より遅くなった。
これらはすべて「デグレードが発生した」と表現されます。
なぜデグレードは起きるのか
デグレードが発生する主な原因は次の通りです。
影響範囲の把握不足
修正箇所が、想定外の処理や画面に影響を与えるケース。
テスト不足
修正箇所以外の動作確認(回帰確認)を行っていない。
仕様認識のズレ
仕様変更がチーム内で正しく共有されていない。
システムの複雑化
コードの依存関係が増え、影響が読みにくくなっている。
デグレードを防ぐための対策
完全にゼロにすることは難しいものの、以下の対策で大幅に減らすことが可能です。
回帰テスト(リグレッションテスト)
修正後に、既存機能が正常に動くかを確認するテスト。
影響範囲の整理
修正前に「どこに影響が出るか」を洗い出す。
小さな変更単位での修正
一度に大きく変えず、段階的に修正・公開する。
テストコード・自動化の活用
人的ミスを減らし、確認漏れを防ぐ。
デグレードと混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 不具合(バグ) | プログラムの誤り全般 |
| 劣化 | 性能や品質が下がること(広義) |
| 障害 | サービス停止など大きな問題 |
| デグレード | 修正が原因で既存部分が悪化 |
まとめ
デグレード(デグレ)とは、
修正や追加によって、以前は問題なかった機能や品質が低下してしまう現象です。
開発・運用の現場では避けて通れない問題だからこそ、
- 影響範囲の把握
- 回帰テストの徹底
- 丁寧な確認
が、品質を保つうえで非常に重要になります。
用語の意味を正しく理解し、トラブルの早期発見・防止につなげていきましょう。

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