概要
こむらがえりは、主にふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)が急に強く収縮して激痛と硬直が起きる現象です。夜間や運動中に多く、数秒〜数分で自然におさまることが一般的ですが、余韻の痛みが数時間残ることもあります。
なぜ起こる?
複数の要因が重なって発生しやすくなります。
- 脱水・電解質バランスの乱れ:ナトリウム/カリウム/マグネシウム不足
- 筋疲労・血行不良:長時間の立ち仕事、激しい運動、冷え
- 体の状態:妊娠、加齢、睡眠中の姿勢
- 薬・疾患の影響:利尿薬の服用、甲状腺・糖代謝異常、肝腎機能低下など
起きたときの応急処置(すぐにできる3ステップ)
- ストレッチ:膝を伸ばし、つま先を手前に引く(足関節の背屈)。反動はつけない。
- 温める:湯・シャワー・カイロでふくらはぎを保温。
- 水分・電解質補給:常温の水や経口補水液を少量ずつ。
痛みが落ち着いてから、やさしくもみほぐすのは可。激痛時に強揉みは逆効果です。
予防のポイント
- 就寝前ストレッチ:ふくらはぎ・足裏をゆっくり伸ばす
- 運動の前後:ウォームアップ/クールダウンを徹底
- 水分とミネラル:汗をかく日は意識して補給
- 冷え対策:就寝時はレッグウォーマーや掛け物で保温
- 履物の見直し:サイズの合った靴、過度に締め付けない靴下
- 生活習慣:過度な飲酒を避け、バランスのよい食事
自宅でできる簡単ストレッチ(就寝前がおすすめ)
- カーフストレッチ(壁)
- 壁に手をつき、片脚を後ろへ引いて膝を伸ばす
- 後脚のかかとを床につけたまま体を前へ倒す(20〜30秒×左右2〜3回)
- タオルストレッチ(床)
- 座って片脚を伸ばし、足裏にタオルをかける
- つま先を手前に引く(20〜30秒×左右2〜3回)
※ 反動をつけず、呼吸は止めないのがコツ。
食事で意識したい栄養素
- マグネシウム:ナッツ、海藻、豆類、全粒穀物
- カリウム:バナナ、芋類、葉物野菜、果物
- カルシウム:乳製品、小魚、豆腐、青菜
- タンパク質:筋修復の材料(魚・肉・卵・大豆製品)
よくある誤解
- 「カルシウムだけ」では不十分:複数ミネラルのバランスが重要。
- 「運動していないのに起きるのは異常」:睡眠中の脱水・冷え・姿勢でも起こります。
- 「揉めば早く治る」:激痛時の強揉みは逆効果。まずは静的ストレッチから。
受診の目安(放置しないサイン)
- 頻繁に繰り返す/同じ片脚だけで集中的に起こる
- むくみ・皮膚の色の変化・熱感を伴う
- 痛み・しびれが長時間続く、外傷後に悪化
- 薬を始めてから増えた、妊娠中でつらい
→ 内科・整形外科へ相談を。深部静脈血栓症など鑑別が必要な場合があります。
Q&A
Q. 夜中に足がつりやすい。何から始めるべき?
A. 就寝前の水分/ストレッチ/保温の3点セットを1〜2週間試し、環境(寝具の冷え・締め付け)も見直してください。
Q. サプリは必要?
A. 食事改善と水分・電解質補給で改善する例が多いです。慢性的に続く場合は、服薬や基礎疾患の影響確認も含め医療機関へ。
Q. ウォーキングでも起こる?
A. 起こり得ます。開始前のウォームアップ不足、汗による脱水、シューズ不適合が誘因になります。
まとめ
こむらがえりは脱水・ミネラル不足・冷え・筋疲労が主因。発生時はつま先を手前に引くストレッチ→温める→水分・電解質補給が基本です。就寝前のストレッチと保温、日中のこまめな水分補給で多くは予防可能。頻発・長引く・片脚で繰り返す・異常所見を伴う場合は受診しましょう。

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