概要
波瀾万丈は、人生や物語の展開などが「波のように起伏が激しく、出来事が次々と起こること」を表す四字熟語です。成功と挫折、喜びと苦難が交互に訪れる――そんなドラマ性の高い状態を端的に言い表します。
意味
- 波瀾:大きくうねる波。転じて「穏やかでない出来事・起伏」を表す。
- 万丈:非常に高いこと、勢いが大きいこと。
→ 合わせて「出来事の起伏が非常に大きいさま」を指します。
人生・自伝・映画・企業史など、時間軸に沿ったストーリーを語る場面での相性が抜群です。
表記は二通り:「波瀾万丈」と「波乱万丈」
- 波瀾万丈:本来の表記。「瀾」は常用外漢字で、やや文語的・硬い印象。
- 波乱万丈:一般的な現代表記。新聞・ビジネス文書・ウェブで広く使用。
どちらも意味は同じ。媒体のガイドラインや読者に合わせて選びましょう。迷うなら「波乱万丈」が無難です。
使い方と例文
日常・人物評
- 「あの起業家の半生は波乱万丈だ。」
- 「彼女のキャリアは波瀾万丈で学ぶことが多い。」
作品・出来事の評価
- 「展開が波乱万丈で、一気に読み切った。」
- 「クラブの歴史は波瀾万丈、転機の連続だった。」
注意
- 「波乱」は単独だと“騒動・混乱”の意味が前面に出ますが、「波乱万丈」では起伏の激しさが主眼です。
類義語・言い換え
- 起伏に富む/ドラマチック/多難な/変転極まりない
- 文体を和らげたい時は「山あり谷あり」も近いニュアンス。
対義語
- 平穏無事/安定/順風満帆(※「順風満帆」は順調さを強調する対語)
英語ではどう言う?
完全一致の定型はありませんが、文脈に応じて言い換えます。
- full of ups and downs(起伏に富んだ)
- eventful life/story(出来事の多い、生起に富む)
- dramatic(劇的な)
- tumultuous(波乱に満ちた/激動の)
例:「His life has been full of ups and downs.」
似た表現との違い
- 波瀾曲折:筋道が複雑に入り組んで変化すること。経緯の“曲がりくねり”に焦点。
- 波乱:騒動・混乱の発生自体を指すことが多い。
- 激動:社会・時代全体の大きな変化を強調。
波瀾万丈は「長いスパンの激しい起伏」に強みがあります。
よくある誤り
- 「波欄万丈」「波瀾万情」などの誤変換に注意。
- メディアでの可読性重視なら「波乱万丈」を選択。
まとめ
- 波瀾万丈=出来事の起伏が非常に大きいさま。
- 表記は「波瀾万丈」「波乱万丈」いずれも正しい(一般には後者)。
- 人生・経営史・物語のドラマ性を短く強く伝えたいときに最適。


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