角打ち(かくうち)とは、酒屋(酒販店)の店内の一角で、購入したお酒をそのまま飲むこと、またはそのスタイル自体を指します。居酒屋でも立ち飲み屋でもない、酒屋ならではの素朴さと気軽さが魅力です。
角打ちの由来と歴史
「角」は店内の隅、「打ち」は升で酒を量って出すことを意味します。かつて酒屋では、配達の合間や仕事終わりの一杯として、升酒をその場で“打って”飲む習慣がありました。これが定着し、角打ちと呼ばれるようになったとされています。
高度成長期には全国に広がり、地域の社交場として親しまれてきました。
角打ちの特徴
- 立ち飲みが基本
イスは少なく、短時間でサッと飲むのが流儀。 - 価格が良心的
店頭価格+少額の開栓料程度で楽しめることが多い。 - 酒が主役
日本酒、焼酎、ビールなど、酒屋の品ぞろえをそのまま味わえる。 - つまみは簡素
缶詰、乾き物、惣菜などが中心。酒の邪魔をしない構成。 - 常連文化
地元客同士、店主との距離が近く会話が自然に生まれる。
居酒屋・立ち飲み屋との違い
| 項目 | 角打ち | 立ち飲み屋・居酒屋 |
|---|---|---|
| 運営 | 酒屋 | 飲食店 |
| 酒の提供 | 店売りの商品を開栓 | 店舗メニュー |
| 雰囲気 | 素朴・ローカル | デザイン性の高い店も多い |
| 滞在時間 | 短め | 比較的長め |
酒屋が本業である点が、角打ち最大の特徴です。
現代の角打ち事情
近年は、クラフトビールや地酒に強い角打ち、女性や若年層にも入りやすい内装の店が増え、再評価が進んでいます。テイスティング(利き酒)感覚で少量ずつ楽しめる店もあり、酒文化の入口としての役割も担っています。
角打ちを楽しむコツ
- 少量・短時間で:はしごや買い物ついでの一杯が定番。
- 店のルールを尊重:飲める場所、持ち込みの可否、写真撮影などは要確認。
- 会話を楽しむ:無理に馴れ合わず、自然体で。
まとめ
角打ちは、酒屋の“日常”から生まれた日本独自の文化。
安さや気軽さだけでなく、酒そのものの味と、地域の空気感を楽しめる点が最大の魅力です。初めての人でも入りやすく、ベテランの酒好きにも奥深い——そんな懐の深さが、いまも角打ちが愛され続ける理由でしょう。


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