先日、自宅のビニールプールでちょっと驚くことが起きました。
プールに水を入れて遊んだあと、そのままにしておいたホースから、水がどんどん抜けていってしまったのです。
今回はそのときの様子をもとに、「サイフォンの原理(げんり)」という自然のふしぎなしくみについて、やさしく説明してみたいと思います。
なにが起きたか?
自宅のプールにたっぷり水をためて、ホースを使って水を入れていました。遊び終わったあと、次のような状態になっていました。
- ホースの片方はプールの中に入れたまま。
- もう片方は蛇口(じゃぐち)から外して、地面の方に置いたまま。
このとき、しばらくしてプールを見ると、水がどんどん少なくなっていたのです。
「なぜだろう? ホースから水を入れてたはずなのに、今度は水が出ている?」
サイフォンの原理とは?
このとき起きていたのは「サイフォンの原理」というものです。
かんたんに言うと、
高いところにある水が、ホースなどを通って、低いところに流れ出すしくみ
です。
ポイントは次の3つ。
- ホースの片方が水の中にある(プールの中など)
- もう片方が水よりも低いところにある(地面など)
- ホースの中が最初から水でいっぱいになっている(空気が入っていない)
この3つがそろうと、水は勝手に流れ出して止まらなくなります。まるでホースが水を吸い出しているように見えるのが、この「サイフォン現象」です。
どうして水が流れ続けるの?
サイフォンのしくみは、水の「重さ」や「空気の力」に関係しています。
- プールの中の水は高いところにあるので、その重さで下に流れようとする力があります。
- ホースの中に水がいっぱいになっていると、途中で切れずに流れが続きます。
- 低いところにある出口から水が出ていくと、プールからまた新しい水が引っぱられるようにして、どんどん流れていくのです。
実験してみよう
家にあるバケツとホースで、かんたんなサイフォン実験もできます。
- 水の入ったバケツと、空っぽのバケツを用意します。
- ホースの中をあらかじめ水で満たしておきます(これがコツです)。
- 一方を水の入ったバケツに沈めて、もう一方を低い位置の空バケツに入れます。
- 手を離すと…水が流れはじめて、空のバケツにどんどんたまっていきます!
※ 失敗しやすいのは「ホースの中に空気が入っている」場合。必ず最初はホース全体に水を満たしてから始めましょう。
おわりに
自宅のプールでのちょっとした出来事が、「サイフォンの原理」という自然のしくみを知るきっかけになりました。
水は高いところから低いところに流れる――これはとても当たり前のことですが、ホースを使うとそれがとても効率よく、思わぬところでも起きるのです。
身の回りにもこうした“しくみ”はたくさんあります。何げない現象の中にかくれている「ふしぎ」を、ぜひ見つけてみてください。
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